スバルのドライバーモニタリングシステムはMaaS時代に不可欠な技術…新型フォレスター

自動車 ニューモデル 新型車
スバル・フォレスター発表会
スバル・フォレスター発表会 全 20 枚 拡大写真

新型フォレスターが正式の国内発表となった。先行プレミアムは今年のニューヨークモーターショーで行われ、4月にプレ発表会も開催されていた。そのとき注目だったのが「ドライバーモニタリングシステム」だ。

【画像全20枚】

ところで、スバルのシステムに対するネーミングはいつも「ベタ」だ。各社が共通プラットフォーム化を表明したとき、トヨタはTNGA、ルノー日産のCMFなどそれぞれがネーミングも競っていたが、スバルはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)とそのままだ。今回も、乗用車としては画期的なシステムにかかわらず、ドライバーをモニタするもの、という極めて素直なネーミングだ。

しかし、わかりやすいネーミングというのは重要だ。凝った英語や略語にされても業界人でさえ何の用語かわからなくなることがある。差別化も行き過ぎると、だれも理解してくれないというのはよくあることだ。また、先駆であれば最初にいちばん素直でわかりやすい名前を選べるというのもある。スバルは一周まわって、わかりやすさでベタなネーミングで差別化に成功しているのかもしれない。

閑話休題。ドライバーモニタリングシステム(DMS)は、赤外線カメラによって登録ドライバーを認識し、シートポジションやミラーの位置などを自動調整してくれるもの。また、走行中の表情などでいねむりや脇見の注意喚起もしてくれる。

カメラは、マルチファンクションディスプレイ(MFD)の助手席側のフチに運転席、ドア方向に向けて内蔵されている。動作中は赤いランプが見える。赤外線なので夜間でもサングラスをかけていても認識に問題はない。認識範囲は、ドア開口部から運転席まで見ている。これは、乗り込む動作から認識シーケンスを始めるためだ。ドライバーは車に認識してもらうため、特別な手順は必要ない。普通にドアを開けて着座すれば、MFDに「Hello <登録名>」とグリーティングメッセージが表示される。

これだけで、シートポジションやミラーの変更を自動的に行ってくれる。この便利さは、1台の車を家族で共有しているならわかるだろう。今後、コネクテッドカーやテレマティクスが一般的になれば、車両のパーソナライズは非常に重要な意味を持つ。スマートフォンは家族でも共用することはないが、車は夫婦や親子で使うシチュエーションのほうが普通だ。シートポジションだけでなく、テレマティクスサービスもドライバーごとに切り替わってくれるとうれしい。

細かいところではナビの設定、ルート履歴の個人別管理、メーターコンソールの表示項目、コネクテッド機能では、メールやSNSのアカウントとの連動などクラウド連動には欠かせない。

MaaS時代になれば、車はさらに共有前提のものが増えてくる。プライバシー情報の管理とともにパーソナライズ機能は必須となるはずだ。自動運転では、車載のAIエージェントとの会話をするようになるかもしれない。このとき顔認証によるアカウント管理、ドライバーや同乗者の識別は、自然言語での会話を成立させるために利用されるだろう。

このように考えると、スバルは、アイサイト、前車追従型クルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール)、このドライバーモニタリングシステムなど、ADASやCASE車両の基礎技術での先進性が目立つ。他社が自動運転ありきでCASE車両や次世代カーの研究・実用化を進める中、基礎技術を積み上げ、機能をボトムアップで作っていっている。その先に、必然があればAIや自動運転がくるのだろう。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ジムニーとガチンコ勝負…ではない!? ダイハツの軽SUV『ラガー』約30年ぶり復活か
  2. ホンダ『WR-V』改良新型、インドで先行発表…新グリルとLEDで表情変化
  3. 日産『ノート』次期型、2027年12月発売か? 第3世代 e-POWER搭載へ
  4. BMW、420ccスーパースポーツ『F 450 RR』発表 車重177kgで48hpを発揮
  5. マセラティ、グレカーレ ・グラントゥーリズモ・グランカブリオの改良新型を日本導入
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. EU「欧州製EV」優遇へ、産業加速法を審議---売れるEVと売れないEV
  2. 全ての体格に対応する後席用新型シートベルト、ZFが2025年央発売へ
  3. スカニア、中国で新事業開発組織「VNBC」設立…電動・自動運転輸送を加速へ
  4. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 欧州自動車産業の次の一手、欧州の現場で何が起きているのか~EV減速局面・SDV/AIへの移行・中国勢の浸透~
  5. インド国産化の進め方、事業の核の築き方【インド・新自動車大国の素顔】
ランキングをもっと見る