1000度の熱にも耐える軍手、10年かけて開発…日本ものづくりワールド2018

自動車 ビジネス 国内マーケット
川進が開発した耐熱軍手「クラムボン」シリーズ
川進が開発した耐熱軍手「クラムボン」シリーズ 全 1 枚 拡大写真

軍手にもいろいろあるが、数百度の熱に耐えられるものがあるのをご存じだろうか。川進(本社・和歌山県有田郡有田川町)の軍手「クラムボン」シリーズは何と300~1000度までの熱に耐えられるというのである。

実際にその軍手を着けて熱した鉄板を触ってみたが、ほとんど熱さを感じなかった。ちなみに鉄板の温度は202度だった。同社の関係者によれば、グラムボンは300度、スーパークラムボンは700度、ウルトラクラムボンは1000度の温度に耐えることができるそうだ。

「そもそもこの軍手は、溶接会社の人から、火傷をするのでなんとかいいグローブをつくってほしい、と言われたのがきっかけなんです。その開発は大変で、できるまで10年かかりました」と同社関係者は説明し、これから本格的に販売していくという。

素材はクラムボンがアラミド、スーパークラムボンがガラス繊維、ウルトラクラムボンがセラミックだが、その編み方や製造方法は企業秘密だ。パンフレットにはこんなことが書かれていた。

「要は、高い温度の空気から低い温度の空気へと伝導する熱を、グローブの内部に伝わらないようにする、という当たり前のことです。さらに使う人に対しては『動きやすい』『軽量化』を図る。そのために、アルミ製を基にして魚の鱗のように重ね合わせて貼り合わせることにしたのです」

同社関係者によると、中国人が非常に興味を示し、裏返したり、いろいろなことをしていたそうだ。しかし、同じものをつくるのはまず無理とのことだ。もちろん興味を示したのは日本人を同様で、同社のブースには次から次へと来場者がやってきた。その中にはホンダや日野自動車など自動車メーカー関係者もいた。

価格はクラムボンが5000~7000円、スーパークラムボンが7500~9500円、ウルトラクラムボンが1万2500~1万4500円となっている。さらに高性能な「クラムボンBIO」もあるそうで、それは1万7500~1万9500円だ。

同社では直販をメインに販売していき、量販店などには卸さない方針だ。「これまでずっと言われるままに軍手を安売りしてきた。もう安売りするのは終わった」と同社関係者は話し、この軍手の付加価値をちゃんと理解してくれる人に売っていく。

日本ものづくりワールド2018は6月20~22日に東京ビッグサイトで開催。主催はリードエグジビションジャパン。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
  2. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  3. 外装も内装も「どピンク」な超高級SUV、ベントレー特注部門のスゴ技とは
  4. トヨタ車体、『アルファード』『ヴェルファイア』をトヨタに生産移管、いなべ工場は商用車専用に
  5. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る