ポルシェ70周年記念、911 の歴史を振り返る

モータースポーツ/エンタメ 出版物
『ポルシェ911 空冷・ナローボディーの時代 【新装版】』
『ポルシェ911 空冷・ナローボディーの時代 【新装版】』 全 1 枚 拡大写真

『ポルシェ911 空冷・ナローボディーの時代 【新装版】』
1963-1973
著者:ブライアン・ロング
翻訳:ロング美穂 
翻訳・監修:小早川隆治
発行:三樹書房
定価:3000円(消費税除き)
2018年6月10日刊行
ISBN987-4-89522-690-5

ポルシェが誕生して今年で70周年。それを記念してポルシェを代表する『911』をテーマに、ドイツ本国のポルシェアーカイブから発掘した日本未公開写真を多数収録し、変遷を紹介した本が刊行された。

1948年、開発コード356/シャシー番号356-001のポルシェ「No.1」がオーストリアのグミュントで誕生した。これがポルシェを名乗る最初のモデルである。これはミッドシップレイアウトを採用したがその数か月後にはRRレイアウトに修正され、『911』の前身、『356』の生産化への準備が進められたのだ。グミュントで作られた356はおよそ50台といわれ、その後、シュトゥットガルトに戻り本格的な生産が開始された。1950年のことだった。

ポルシェ911のデビューは1963年のフランクフルトショーであった。その時は『901』であったがプジョーから3桁の数字の間に“0”を挟むことに対しクレームが付き、911という名称に変更され、正式なラインオフは1964年であった。これは今に続く911ストーリーの始まりだった。

本書では、356を設計したフェルディナント・ポルシェの息子、フェリー・ポルシェ、そして911をデザインしたブッツィ・ポルシェがどのような思いを込めそれぞれのクルマを開発していったか、また、1965年からナローボディ終焉となる1973年までの911をイヤーモデルごとに詳細に語られている。

さらに、ドイツ本国のボルシェアーカイブスから220点以上もの写真を掲載しており、これまで日本では公開されなかったものも含まれるので、一見の価値がある。

巻末には車体番号と生産台数やエンジン主要スペックが収録されているので資料性も高い。

なお本書は2011年に刊行された同書の内容はそのままに、ポルシェ『カレラRS』をカバーデザインに使用した新装版である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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