トヨタ『eパレット』のライバル? VW『セドリック・アクティブ』登場…CEBIT 2018

自動車 ニューモデル モビリティ
フォルクスワーゲングループのCDO (Chief Digital Officer)であるヨハン・ユンクビルト氏
フォルクスワーゲングループのCDO (Chief Digital Officer)であるヨハン・ユンクビルト氏 全 5 枚 拡大写真
CEBITが開催されたハノーファーは、フォルクスワーゲンの本拠地であるヴォルフスブルクが属するニーダーザクセン州の州都であり、いわゆるお膝元だ。それゆえ、フォルクスワーゲングループはCEBITで数多くのブースを設置し、イベントも実施するなど力の入ったプレゼンテーションを展開した。

そして今回のフォルクスワーゲングループの目玉展示として選ばれたのが、『セドリック・アクティブ』の世界初公開だ。

セドリック・アクティブは、フォルクスワーゲンのドライバーレスカーコンセプト『セドリック』の5代目にあたる、アクティブなライフスタイルに対応するコンセプトカーで、展示車にはサーフボードが搭載されている。

フォルクスワーゲングループのCDO (Chief Digital Officer)であるヨハン・ユンクビルト氏は、スクールバスや移動小型店舗など、セドリックの応用範囲を紹介しながら、今回のセドリック・アクティブについて、「マウンテンバイクのライダーはこう考えるはずだ。山頂までセドリック・アクティブで行き、そこからマウンテンバイクでダウンヒルを楽しむ。そのあいだにセドリック・
アクティブは自動運転でふもとまで戻って待つ、という使い方ができる。」とアピールした。

またユンクビルト氏は、セドリックを含めたMaaS全体に対するフォルクスワーゲングループの考え方について、「従来のパッセンジャーカー・トラック・バスに加え、MaaS向け車両・自動運転オーナーカーの領域をもカバーしていく。」と説明した。

さらにMaaSを構成する各ソリューションを5つのレイヤーで示し、上位層にモビリティプロバイダー、コンテンツプロバイダーが位置するという理解を示した。

このように、セドリックに関する取り組みは、トヨタにおける『eパレット』の取り組みと非常に似通っているが、ひとつ大きな違いがある。セドリックやeパレットが繋がる先のクラウド(あるいはプラットフォーム)に対する姿勢だ。

トヨタは、eパレットを始めとするモビリティが繋がるプラットフォームとして「MSPF(モビリティサービスプラットフォーム)」を提唱し、サービス・クラウド・モビリティをつなぐ生態系を自ら作り出そうとしている。いっぽうのフォルクスワーゲンは、そのような大きな青写真をこれまで提示していない。ここが両社の姿勢の大きな差異といえるだろう。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  2. さらなる人馬一体へ!NDロードスター用「リビルトエンジン」発売、価格は65万7800円
  3. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  4. メルセデスベンツ『Gクラス』、オープン「カブリオレ」復活へ
  5. マツダの新型SUV『EZ-60』すでに4万台の予約殺到! SNSでは「マツダ復権か??」「日本でも売るべき」など話題に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る