日産ピンチ、欧米の販売低迷で大幅な営業減益…国内では新たに排ガスデータ改ざんも発覚

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日産自動車の2018年度第1四半期決算を説明する田川丈二常務執行役員
日産自動車の2018年度第1四半期決算を説明する田川丈二常務執行役員 全 2 枚 拡大写真

日産自動車が7月26日に発表した2018年度第1四半期決算は、営業利益が前年同期比28.8%減と大幅な減益だった。そのうえ、7月初めには出荷前の車の排ガスや燃費データを改ざんしていたことが新たに発覚し、ピンチを迎えそうだ。

減益の主な要因は販売台数の減少と車種構成の悪化で、営業利益を681億円押し下げた。特に不振だったのは利益幅の大きい北米市場で、そこでの販売台数が前年同期比9.5%減の48万2000台。また、欧州についても、同12.7%減の16万2000台と大きく落ち込んだ。

一方、国内については、小型車『ノート』が1~6月の登録車販売で首位となり、日産車として上半期に首位になるのは1970年の『サニー』以来、実に48年ぶりの快挙を成し遂げた。ところが、その数日後、排ガスや燃費データの改ざんが新たに発覚。嬉しいニュースを打ち消す自体に陥った。

「完成検査問題のときのように、引当金を積むことはしていない。今回の問題では、リコール対象ではないとわれわれは思っているので、大きな負担がかかるとは考えていない」と田川丈二常務執行役員は説明し、こう付け加えた。

「7月9日の記者発表以降、ディーラーへの来訪者が減るとかの懸念があったが、今現在は正常な状態。7月の受注自体も前年比5%近いプラスで推移している。足元で大きな影響は出ていない」

しかし、安心している場合ではないだろう。というのも、同じようにデータの不正が発覚したSUBARU(スバル)はしばらくした後に影響が出たからだ。6月の新車販売台数が前年同月比25%も減少している。

このことからも、これから影響が出てくるものと考えられる。田川常務執行役員は「信頼回復を会社全体で取り組んで、なるべく影響を抑えるようにしていきたい」と話していたが、それはスバルでも同じだった。しかし、スバルは大きく販売台数を落とす結果となった。

日産はこの10年近く順調に販売台数と業績を伸ばしてきたが、2017年度から雲行きが怪しくなり、2018年度は欧米での販売低迷、国内でのデータ改ざんで一段と厳しい状況に追い込まれそうだ。

《山田清志》

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