透明ディスプレイつきヘルメットはすぐ慣れた…スーパーフォーミュラ 野尻選手

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スーパーフォーミュラで実際に使用したプロトタイプ
スーパーフォーミュラで実際に使用したプロトタイプ 全 11 枚 拡大写真

7月にスーパーフォーミュラのマシンでダンディライアンレーシングが走行試験を行なった、カラーディスプレイ付きのヘルメット。このヘルメットディスプレイの詳細と、応用製品として検討中のスマートヘルメットについてJDIから発表があった。

発表があったのはJDI(ジャパンディスプレイ)のプレスカンファレンス。JDIの伊藤嘉明氏常務執行役員によるプレゼンのあと、ダンディライアンレーシングの村岡潔監督と野尻智紀選手も登場し、ディスプレイヘルメットについて記者の質問に対応してくれた。

7月にテストされたのはまだ試作段階のもの。そのため、透明カラー液晶とはいえ、ガラス版をシールドの上、ヘルメット本体に取り付けたもの。JDIによれば最終的にはフィルム式の透明カラー液晶とする予定だそうだ。

ディスプレイに表示される情報は、フォーミュラカーのステアリングコラムにあるディスプレイと同じものと思えばよい。表示する情報はステアリングのボタンで選ぶが、ドライバーはステアリングに視線を移さず必要な情報が確認できる。しかし、目の前に透明(高透過率)とはいえディスプレイがあると運転のじゃまではないかと思える。

この点、野尻選手は「表示を見るのはすぐに慣れた。運転中も視界のじゃまになることはなかった。ただ、ドライバーによって表示位置の好みはでる。視線を大きく動かさないで済むのでむしろ運転に集中できた」とコメントする。

村岡監督は「まだ実験段階の製品。表示内容は、車両の細かいデータ、走行データ、ピットからのメッセージなど可能性は広がるが、実際にはレースレギュレーションと本体の重量などがネックになるだろう。フォーミュラレースではヘルメットの重さもグラム単位で管理されるので、重くなるのを嫌う選手やチームもある」と評価する。

フィルム型透明カラー液晶ディスプレイをシールドに埋め込めば、実際のレースでも応用が広がりそうだ。レギュレーションの問題があるが、コースレコードの「ゴースト」を表示させながら運転というのも面白いかもしれない。

JDIでは、これと類似の「スマートヘルメット」の構想も発表した。スマートヘルメットは車載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)をコンパクトにしてヘルメットに内蔵するものだ。サンプルとして展示していたスマートヘルメットは、シールドの内側に、ディスプレイを写す丸いプレートが収められている。外からみるとザクの「モノアイ」のようにも見える。

詳細仕様は未定とのことだが、スマホに専用ナビアプリをインストールし、Bluetoothなどでスマートヘルメットと通信する。こうすればヘルメット内は小型の液晶ディスプレイと反射プレートだけで済む。バイクなら、車速、ナビのルートガイド、メール、その他検索情報などがヘルメットで確認できるのでスマホはカバンやポケットの中にしまっておける。

スマートヘルメットと同じしくみをゴーグルに組み込めば、スキーやボード競技にも使える。消防士やレスキュー隊でも現場の地図や建物の見取り図を表示させるといった応用が可能だ。プレゼンテーションでJDI 伊藤氏は、eスポーツ用のゴーグルやサバイバルゲーム用のゴーグルなども考えられるのでは、と述べていた。

JDIは、2019年度中を目安にスマートヘルメットの市販化を検討しているそうだ。
新型フォレスターが正式の国内発表となった。注目が「ドライバーモニタリングシステム…

《中尾真二》

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