車内に放置されていた乳児が死亡---熱中症のリスクが高まる温度は意外と「涼しい」?

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駐車場に止めたクルマの中に約5時間30分に渡って放置されていたとみられる男児が死亡する事故が起きた。熱中症が原因とみられ、警察では放置に至った状況について調べている。

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8日午前10時ごろ、群馬県中之条町内にある集合住宅の駐車場に止めていた軽乗用車の車内で、生後8か月の男児が意識を失っているのを父親が発見。消防に通報した。男児は約3時間後に収容先の病院で死亡している。

群馬県警・吾妻署によると、死亡した男児は埼玉県内に在住し、父親の実家がある中之条町内の集合住宅へ午前4時30分ごろに到着。男児は後部座席に装着されたチャイルドシートに着座した状態で寝ていたため、両親は男児をクルマの中に置いたままにしていた。

午前6時ごろ確認した際には異常がなく、そのままにしていたが、午前10時ごろには呼吸が荒く、意識が無い状態となっているのを父親が確認。母親が消防へ通報し、男児は渋川市内の病院へ収容されたが、回復することなく約3時間後に死亡したという。

中之条町内には気象庁の測定機(アメダス)が設置されており、到着した午前4時30分と、最初の確認をした午前6時の気温は20.6度、意識を失った状態で発見された午前10時の気温は25.9度だった。駐車中にクルマのエンジンは掛けられておらず、クーラーは入っていなかったという。警察では熱中症で死亡した可能性が高いとみて、両親から過失致死容疑で事情を聞くとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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今年は40度近くまで上昇した異常な猛暑の影響もあり、30度を下回る気温になると涼しく感じてしまうのだが、これまでに発生してきた熱中症を原因とする車内放置死を振り返ると、放置時の気温は25度前後のことが多かった。

今回の事故では、放置を開始した時点で約20度、発見時で約26度であり、気温としては熱中症に至る条件をクリアしている。

40度近い気温に慣れてしまうと、20度は「涼しい」を通り越し、「寒い」と感じてしまう温度なのだが、25度を超えると熱中症のリスクが高まるという事実を忘れてはならない。

《石田真一》

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