【コンチネンタルタイヤ勉強会】斜めに刻まれたグルーブ…冬が待ち遠しくなる?

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コンチネンタルタイヤ・ジャパンのグレゴリー・メイ代表取締役社長
コンチネンタルタイヤ・ジャパンのグレゴリー・メイ代表取締役社長 全 10 枚 拡大写真

2018年7月に発売されたコンチネンタルの新スタッドレスタイヤ『バイキング・コンタクト7』はネーミングからも容易に想像できるとおり、「バイキング・コンタクト6」の後継モデルとなる。

コンタクト6ではかろうじて細いストレートグルーブが与えられたトレッドデザインであったが、コンタクト7ではストレートグルーブを完全に廃したデザインとなったのが、見た目での最大の特徴と言える。トレッドデザインは菱形を中心にしたもので、斜めに刻まれたグルーブはすべてがつながっている。つまり各ブロックは完全に独立した構造となっている。

通常はストレートグルーブが中心となって排水性能(とシャーベット状の雪の排雪性能)を担うが、「バイキング・コンタクト7」では斜めに刻まれたグルーブのうち、回転方向のセンター部に頂点を持つV字型の組み合わせ(このグルーブの組み合わせをコンチネンタルでは“エフィシエント・グルーブ・ネットワーク”と呼ぶ)がその役割を担当する。

“エフィシエント・グルーブ・ネットワーク”ではない部分のグルーブは排水には関与しない。この部分には、ソリッド・リンケージとインターロック・ブリッジといった構造を採用し、ブロックの倒れ込みを防止。“エフィシエント・グルーブ・ネットワーク”を効率的に働かせる縁の下の力持ち的な部分となる。

各ブロックには多数のサイプを配置。サイプはオープンサイプで、表面から見るとギザギザなデザインとなる。また断面でもギザギザ形状となっていて、前後横の力かかった際のブロック剛性をアップ。サイプの太さも一定ではなく太めのサイプは雪を取り入れて雪柱せん断力によるグリップを狙った設計。さらに外側ブロックの横方向エッジを凸型形状としてエッジ効果を得ている。


コンパウンドは“ノルディック・コンパウンド”と呼ばれるもので、“アクティブ・グリップ・シリカ”が配合される。多数のシリカがポリマーと結合、高密度で均一にコンパウンド内に分布しウエット路面でのグリップ性能、ブレーキ性能を確保。コンパウンドに柔軟性を与えるオイルには、菜種オイルを採用することで低温時の柔軟性を確保している。

バイキング・コンタクト7の発売は9月中旬より。14インチから20インチまでの全60サイズをラインアップ。今後もサイズは拡充される予定。今回発売される60サイズのスピードレンジはいずれも“T”で、190km/hまでの速度が保障(規定条件下にて)されている。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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