【マツダ CX-3 新型試乗】タイヤに頼らない進化だとしたら、大成功だ…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダ CX-3 改良新型
マツダ CX-3 改良新型 全 12 枚 拡大写真

毎年のように改良が行われるマツダ車。『CX-3』は2017年6月に一部改良が行われたので、1年経たずに再度改良を受けたことになる。

ディーゼルエンジンもガソリンエンジンも改良れているが、大きな変更があったのはディーゼルエンジンのほう。ディーゼルエンジンは従来1.5リットルだったものが1.8リットルに排気量アップされた。

トルクはアップされておらず、1.5リットルと同じ270Nm。最高出力は116馬力と9馬力アップとなっている。この排気量アップによって、中間加速が力強いものとなった。高速道路の合流や、料金所を過ぎてからの加速などは従来型よりも力強い。アクセルを踏んだときの加速感が明確で、グッと前に押し出されるような加速を味わうことができる。

静粛性を高めるために前後ドアのアウターパネルの板厚を増し、リアドアガラスの板厚をフロントドアと同じ4mmにアップ、ドアシールの遮音性やルーフ部の吸音性をあわせて向上するなどして静粛性もアップ。快適性をよくしている。

CX-3はデビュー時から乗り心地が硬めなことが話題になっていた。とくに低速時に硬さを感じる乗り味で、いってみればドイツ車に代表されるようなヨーロッパ車的な乗り味。好き嫌いが分かれる部分で、クルマ好きと言われる人たちはあまり気にしないでいたのだが、一般的なユーザーからは不満もあった。それを解消するため足まわりの改良も行われた。

サスペンションはダンパーやバネ、スタビライザーの仕様変更が行われただけでなく、タイヤの特性まで変更して、乗り心地の向上が図られた。とくに低速時の段差乗り越えや路面の継ぎ目などの乗り越え時の快適性を向上している。マツダ車らしい正確なハンドリングはそのままに、上手に乗り心地を確保したもののどこまでタイヤに頼ったのかが気になる部分。リプレースタイヤに変更しても同様の性能が得られれるのなら、このサスまわりの変更は大歓迎であり、大成功であると言える。

今回の大幅改良による排気量の変化を正確な数字でいうと1498ccから1756ccへのアップ。つまり、自動車税のランクは1ランク上がる。グリーン税制対象車ではあるが、ゼロになるわけではないし、期間が過ぎれば元に戻る。これがユーザーにとってメリットかどうか? は意見の分かれるところだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  2. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
  5. カワサキ『Ninja ZX-25RR』を日本初導入、価格は105万2700円 スタンダード版「25R」は廃止
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る