【マツダ アテンザワゴン 新型試乗】今回はワゴンの方が良くできている?…中村孝仁

試乗記 国産車
マツダ アテンザワゴン 改良新型(XD Lパッケージ)
マツダ アテンザワゴン 改良新型(XD Lパッケージ) 全 19 枚 拡大写真

ラインアップで一番重いワゴン


-80mm、-60mm。この違い、何だかわかりますか?これ、マツダ『アテンザセダン』に対する『アテンザワゴン』のホイールベースと全長の差。つまり、ワゴンはセダンよりホイールベースで80mm、全長で60mm短いということである。

デカい分、当然ながら重いのかと思うとその差は若干。しかし、エンジンの違いと駆動方式の違いによってその差は大きくなる。同じディーゼル同士、セダンのFWDとワゴンのAWDで比較すると、サンルーフ装着車で90kg、セダンが重い。まあ、約100kgとしてその重量差を今回のアテンザは、同じ仕様のサスペンションが支えている。アテンザのラインアップで一番重いのが、実はこのディーゼルのワゴンである。

【画像全19枚】

当然チューニングをする時はこの重いやつを基本に考慮すると思うのだが、試乗会で試乗した時は、ディーゼルのセダンとガソリンのワゴンという組み合わせで乗ってみた。その結果、重いディーゼルのセダンでは微妙にリバウンド時のボディの横方向の揺れが気になった。あくまでそれは軽量なガソリン仕様のワゴンを乗り比べた時に感じたものだったから、今回は改めてディーゼルのワゴンを試乗してみたわけである。

ワゴンの方が良くできている印象


試乗会と違って距離も1000kmとたっぷり走り、あらゆる環境下において試してみたのだが、何故かセダンの時に感じたリバウンド時の横揺れ感はワゴンでは感じられない。ということはボディ形状やボディバランスの差? ということになる。

因みにセダンのディーゼルとワゴンのディーゼルでは重量差にして30kgであるから、大人一人分もない。そして冒頭に記した寸法の差がある。前半部はセダンもワゴンの変わらない。そしてホイールベースで80mmの差で全長が60mmの差ということは、リアのオーバーハングもセダンの方が長いということになる。つまり、考えている以上にセダンと比較した時、アテンザのワゴンはコンパクトに仕上がっているということになるわけだ。

そしてこの差が、全体の重量バランスを変えて、ワゴンの乗り心地をよく感じさせているのではないかと推察させるわけである。元来ボディ全体が一つの共鳴箱のような働きをするから、少なくとも音振に関してはセダンの方が有利である。しかし、ワゴンに乗ってセダンとその差を感じることはほとんどない。というわけで、乗り心地や静粛性で選ぶなら、今回はワゴンの方が良くできている? そんな印象をディーゼル、ガソリンの双方に乗って持ったわけである。

コストパフォーマンスはかなり高い


今回、「Lパッケージ」は少し高い。そのため、Lパッケージならではのアイテムも多数ある。例えば19インチの高輝度塗装のホイールだったり、メーター中央に設定される7インチのTFT液晶ディスプレイ、それに10ウェイのパワーシートにシートベンチレーション等々。他にもフレームレスの室内リアビューミラーやLEDの間接照明といったものもLパッケージの専用装備アイテムだから、敢えて高価なLパッケージをチョイスする必然性は非常に高い。

中でもベンチレーションシートの良さは、夏場に一旦味わってしまうと後戻りできないほど快適だ。しかし一方で、サンバイザーに付くバニティーミラーの照明をLEDに拘った結果、サンバイザー裏についていたETC車載機が、グローブボックスに移されてしまったのは何とも惜しい。マツダ独自のアイデアだっただけにこいつは復活させてもらいたいものだ。

安全に関する装備の充実は大いに評価できるものだと思う。その中でもアダプティブLEDヘッドライトの出来は、倍以上もする価格帯のクルマと同等の性能を持っていて、これは凄いと思う。一方でACC(マツダではMRCCと呼ぶ)の出来は、カメラもしくはレーダー、あるいはその両方の性能があまり良くなく、特に高速域で渋滞が始まり、急激に速度を落とさなくてはならないような状況では、しばしば運転放棄されるケースがあって、あくまでも運転支援であることを痛感させられる。

相対的に見て、アテンザのコストパフォーマンスはかなり高いと思う。それに、特に室内の仕上がり感は今回の商品改良でさらにその上質感を増し、マツダのフラッグシップとしての磨きがかかったと感じた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来40年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。 また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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