フロントスピーカー、どう鳴らす?…フォーカル研究

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フォーカル・ES 80 K for MB
フォーカル・ES 80 K for MB 全 7 枚 拡大写真

カーオーディオシステムの中心ユニット、フロントスピーカー。それに何を選び、どう鳴らすか、そこに焦点を当てて展開している当特集。第18回となる今回は、フランスの名門ブランド、「フォーカル」のラインナップを研究し、紹介する。

■ホーム、カー、両方で名を成す一大スピーカーブランド。

高級スピーカーの世界的なトップブランドの1つである「フォーカル」。オーディオメーカーにスピーカーユニットを供給するOEM専業メーカーとして1979年に設立。その活動の中で培った技術力をベースにほどなくして自社製品の開発もスタートさせ、今や、ホーム、カー、どちらにおいても世界中にファンを持つ、押しも押されもせぬ一大スピーカーメーカーへと成長を遂げている。なお、ホーム、カー、その両方で名を成している会社は、世界中を見渡して数えるほどしかない。「フォーカル」はその意味でも希有な存在と言っていい。

さて、そんな「フォーカル」の、日本で販売されているカー用スピーカーのラインナップを具体的に紹介していこう。まずトップエンドモデルとして、『Utopia Be ULTIMA(ユートピア ビー ウルティマ)』が君臨している。当モデルは、“インバーテッド・ドーム方式”の75mmピュアベリリウム・ドームツィーター『TW Ultima』、“コンポジット"W"サンドイッチコーン”が採用された16.5cmミッドウーファー『6W Ultima』、同様の素材が振動板に使われている20cmサブーウファー『8W Ultima』、以上の3モデル(計6ユニット)からなる3ウェイコンポーネントキットだ。

税抜価格はなんと、200万円。もちろん音質性能も、それに相応しい世界最高峰クラス。生きている間に1度はその音を体験すべきスピーカーのうちの1つと言っても過言ではない、特別なスピーカーである。

■超高級ホーム用スピーカー『Grande Utopia EM』に搭載されているスペシャル技術も…。

なお当キットには見どころが多々あるのだが、ここではミッドウーファーの磁気回路をクローズアップしたいと思う。そこには、「フォーカル」のホームオーディオの超高級スピーカー、『Grande Utopia EM』のために開発された“Power Flowerマルチマグネットテクノロジー”が採用されている。写真を見ていただくと当技術がスペシャルなものであることが理解できるはずだ。1つの大きなマグネットが設定されているのではなく、複数のマグネットで磁気回路が形成されている。このような独特なシステムが搭載されていることも、当機を特別な存在とさせる1つの要因となっている。

そして『Utopia Beシリーズ』にはもう1機種がある。16.5cm2ウェイコンポーネントスピーカーである『165 W-RC』(税抜価格:16万5000円)がそれだ。当機のツィーターにも『Utopia Be ULTIMA』と同じく“ベリリウム反転ドームトゥイーター”が採用され、いわば『Utopia Be ULTIMA』のスタンダード版2ウェイ、とも言うべきモデルとなっている。なお当機にはパッシブクロスオーバーネットワークは同梱されていない(『Utopia Be ULTIMA』も同様)。アクティブクロスオーバーで鳴らすのが前提の本格仕様となっている。

そしてこれに続くのが、大人気定番ラインである『K2 Power(ケーツーパワー)シリーズ』だ。ミッドウーファーの振動板には、「フォーカル」がカー用スピーカーを誕生させたときから採用しているイエローカラーが特徴的な“アラミドファイバー”が用いられ、しなやかな音色も従来同様。その上で2016年にフルモデルチェンジされた現行シリーズには、新特許技術“TMD(チューンドマスダンパー)”や、“Mインバーテッド・ドームツィーター”といった最新技術がたっぷりと注ぎ込まれている。

■『ES 165 KX2』は、2016年の“CES”でイノベーションアワードを受賞!

なお『K2 Powerシリーズ』は、9モデルでラインナップが構成されている。コアキシャルモデルが1タイプ、2ウェイコンポーネントキットが5タイプ、3ウェイコンポーネントキットが1タイプ、そしてサブウーファーが2タイプ、という内容となっている。価格は、16.5cm2ウェイコンポーネントキットのスタンダードモデルである『ES 165 K』が7万5000円(税抜)、2016年の“CES”でイノベーションアワードを受賞した16.5cm2ウェイコンポーネントキットの最上機『ES 165 KX2』が11万円(税抜)。実力のある上級スピーカーでありながら、価格は手頃だ。このあたりも世界中で人気を集めている理由の1つとなっている。

そしてこれに、フランス特産の天然繊維“麻”(Flax)が振動板に採用された気鋭モデル、『FLAXシリーズ』が続く。当シリーズは1タイプのコアキシャルスピーカー、2タイプの2ウェイスピーカー、1タイプの3ウェイスピーカー、そして4タイプのサブウーファー、計8モデルで構成されている。2つの2ウェイスピーカーはともに16.5cmタイプで、1つが『PS 165F』(税抜価格:5万円)、もう1つが『PS 165FX』(税抜価格:7万円)。ともに上級エントリーと位置付けられている価格帯にある。初めてのスピーカーとして手応えのあるモデルをお探しならば、当シリーズのチェックもお忘れなく。

さらに「フォーカル」は、簡単取り付けが可能な『車種別専用キットシリーズ』と『カスタムフィットシリーズ』も充実させている。この中では、日本専売キットである『ES 100 K for BMW』(BMW専用2ウェイコンポーネントキット、税抜価格:8万円)と、『ES 80 K for MB/PS 80 F for MB』(ともにメルセデス-ベンツ専用2ウェイコンポーネントキット、税抜価格:10万5000円/8万円)、これらが特に話題を集めている。

欧州のスピーカーブランドは音質派ユーザーから支持されることが多いが、その中でも「フォーカル」は特に、音にこだわりを持つファンに支えられているブランドだ。リッチで洗練されたサウンドをお望みならば、「フォーカル」にも要注目。

フロントスピーカー、アナタならどう鳴らす? 第18回「フォーカル研究」

《太田祥三》

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