ランボルギーニ、東北初のショールームをオープン、今後も力を入れていく地方…アジアパシフィック役員[インタビュー]

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アウトモビリ・ランボルギーニジャパンマネージングディレクターのフランチェスコ・クレシ氏(左)とアウトモビリ・ランボルギーニアジアパシフィックチーフオフィサーのマッテオ・オルテンツィ氏(右)
アウトモビリ・ランボルギーニジャパンマネージングディレクターのフランチェスコ・クレシ氏(左)とアウトモビリ・ランボルギーニアジアパシフィックチーフオフィサーのマッテオ・オルテンツィ氏(右) 全 16 枚 拡大写真

アウトモビリ・ランボルギーニは、タジマモーターコーポレーションとパートナーシップを結び、東北地方初となる正規ディーラー、「ランボルギーニ仙台」を9月21日にグランドオープンした。

●ここを拠点に北海道も視野に営業展開


ランボルギーニ仙台を運営するタジマモーターコーポレーションが、ランボルギーニの正規ディーラーを手掛けたのは2015年の広島からだ。「四国・中国地方を中心とした多くのランボルギーニファンにご愛顧いただき、今日に至っている」とは、同社代表取締役会長兼社長/CEOであり、レーシングドライバーの田嶋伸博氏だ。そして、「東北、仙台にランボルギーニを紹介したいとランボルギーニ本社にお願いしていたところ、ようやくその夢がかなった。ここから、東北はもちろん北海道までにらんだ北日本にランボルギーニを販売、サービスを全力で展開していく」とコメント。また、アウトモビリ・ランボルギーニジャパンマネージングディレクターのフランチェスコ・クレシ氏も、「東北エリアで最も大きな都市であり、宮城県の県庁所在地である仙台にディーラーを設けることはランボルギーニの願いだった」と述べる。そして、タジマモーターコーポレーションを指名した理由を、「彼らのプロとしての仕事に対する思い、そして高級車市場における知識の深さからだ」とした。
ランボルギーニ仙台

●仙台は非常に可能性のある場所


これまでは関東や関西、九州地方にディーラー網を展開していたランボルギーニ。今回東北地方初の進出ということで、アジアパシフィックのチーフオフィサーと日本代表に話を聞くことができた。

----:まずは仙台にできたこの新しいディーラーの率直な感想を教えてください。

アウトモビリ・ランボルギーニアジアパシフィックチーフオフィサーのマッテオ・オルテンツィ氏(以下敬称):仙台にオープンするためのプロポーザルを貰い、非常に可能性のある場所だと感じていました。特に『ウルス』を販売するにあたりディーラー網を拡張する必要もあったので、ここに拠点を開くことを決めたのです。また、仙台という土地は各国と比べても発展をし続けているという特色があるのです。そこに目をつけて、やはりここ仙台にディーラーを置くという決断に至りました。

アウトモビリ・ランボルギーニジャパンマネージングディレクターのフランチェスコ・クレシ氏(以下敬称略):仙台は日本北部の市場を拠点として押さえる必要がある場所で、ポテンシャルの高い場所として認識していました。また、スーパーSUVのウルスを販売するということもあり、その都合も良かったのです。仙台は宮城県の県庁所在地であり、東北部では最も栄えている街であることから良い場所だと判定したのです。

●東北で全体の5から10%は販売したい


----:これまで東北には拠点がありませんでしたが、およそどのくらいのランボルギーニが販売されていたのでしょうか。

オルテンツィ:年間10台ぐらいの規模で販売していました。そして今後はそのユーザーたちを含めて新しいユーザーを大事に育てていきたいと思っています。

----:では、今後日本全体の何パーセントぐらいを東北で売りたいと考えていますか。

オルテンツィ:およそ5から10%位を考えています。

●ウルスがなくても東北進出はあった


----:今回初めて東北は仙台にディーラーを構えたわけですが、さらに北へのディーラーネットワーク拡大は考えていますか。

オルテンツィ:仙台より北に関しては検討中です。特にウルスは東北部に相応しいモデルと考えていますので、北への展開は検討してきます。

----:いまウルスの話が出ましたが、雪の降る東北地方のマーケットとはとても親和性があると思います。そこで、もしウルスがなかったとしたら仙台への進出はあったのでしょうか。

オルテンツィ:もちろんウルスの影響は大きいのですが、我々の『ウラカン』の一部や『アヴェンタドール』にも4WDがあり台数も伸びています。従って当然のマーケット選択だと考えています。

●ウルスによりさらに体制強化へ


----:ランボルギーニの社長曰く、ウルスが出ることによって年間の販売台数は倍になるとのことでした。もし仮に本当に倍になったとしたらいまの日本のディーラーネットワークで十分対応できると思いますか。

オルテンツィ:もちろん倍の販売はしていきたいですが、ディーラーネットワークに過剰な負担をかけるようなことはしないように考えています。

クレシ:既にキーとなるディーラーでは積極的にリノベートも行っていますし、キャパシティもウルスなどが増えることを踏まえ、サービス体制も整えています。

オルテンツィ:もちろんこれは日本だけではなくグローバルでもディーラーは拡張しており、台数に合わせるようなサービス体制を整えています。

----:そのウルスが出たことによってショールームのCIやファクトリーの作りに変化はありますか。

オルテンツィ:そうですね、まずはスペースに変化があるでしょう。特にワークショップが一番のチャレンジになります。スペースがおよそ倍になりますから。また既存ではない、新しいお客様も増えるでしょうから、ディーラー組織の強化とともにセールスやマーケティング組織も強化しています。

クレシ:もちろんワークショップのチームも組織を強化していきます。

今回オープンしたランボルギーニ仙台は、3218平方メートルの敷地に、ショールーム、ワークショップ、車両保管用のガレージ棟を配している。そのショールームは272平方メートルの広さで、4台の展示が可能だ。ワークショップは 499平方メートルの広さに、4ベイ、3台のリフトを設置。そこに加え、セキュリティの完備した430平方メートルの車両保管棟を用意している。

その場所は東北自動車道泉インターから至近の位置にあり、高級輸入車ディーラーが軒を連ねる通り沿いにある。また、東北地方で最も高級住宅が集中するエリアとされる地域である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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