日産とスズキ、新たに検査改ざん発覚---でも「品質には問題なし」[新聞ウォッチ]

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日産とスズキ、新たに検査改ざん発覚---でも「品質には問題なし」[新聞ウォッチ]
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年9月27日付

●車また検査不正、日産警告灯・重量測定も、スズキ担当者少なく疲弊、スバル近く調査報告書提出(読売・11面)

●株2万4000円回復、9か月ぶり(読売・11面)

●トヨタ4車種リコール(読売・33面)

●三菱電機裁量制の3人労災、14~17年過労自殺も(朝日・1面)

●スズキ、検査データ改ざん、2700台分、国の指摘で発覚(朝日・1面)

●独ダイムラー会長退任へ(朝日・9面)

●日産新たな不正、試験不実施・測定値改ざん、最終報告書(毎日・1面)

●元「モー娘。」吉沢容疑者を起訴、事故直前、法定速度20キロ超過(産経・29面)

●レクサスEV20年投入、トヨタ、中国と欧州向け先行(東京・7面)

●トヨタ全店で全車販売、脱・系列、車種も半減、カーシェアにも参入(日経・1面)

●2国間関税協議へ詰め、日米、首脳会談で最終判断(日経・1面)

●成長源テスラ頼み暗雲、パナソニック、電池供給で関係見極め(日経・2面)

●出光、全固体電池で勝負、EV時代へ脱・ガソリン依存(日経・19面)

●広島初の3連覇、セ2球団目、独走で頂点(日経・37面)

ひとくちコメント

自動車メーカーの不正発覚が止まらない。冷たい秋雨が降りしきる中、きのう(9月26日)は午後3時から日産自動車が横浜市の本社で、続いてスズキが午後6時半から港区の貸しオフィスビルで、それぞれ新たな不正などに関する記者会見を行った。

日産では、排ガスデータ改ざんの調査結果を国土交通省に最終報告したものの、新たにブレーキ関連の警告灯の検査を行っていなかったことなど11項目での不正があったことを発表。

また、スズキは、燃費などの検査での不正で、データの書き換えはないと国交省に報告していたが、実際には書き換えがあったことを鈴木俊宏社長が謝罪した。

きょうの各紙にも、1面や経済面で日産とスズキの「新たな不正」に関する記事を取り上げているが、取り上げ方には温度差もある。このうち、読売は1面準トップで「日産不正さらに11項目、検査データスズキ改ざん発覚」と大きく報じたほか、経済面でも「車また検査不正」とのタイトルで「日本のモノづくりへの信頼が一段と低下しかねない」と伝えている。

また、朝日は1面で「スズキ、検査データ改ざん、2700台分、国の指摘で発覚」。経済面でも「スズキ、改ざん見抜けず、社内の調査『不十分』」としているが、日産の記事は控えめだ。

一方で、毎日は「日産、新たな不正」「日産、信頼回復道見えず」と、日産の不正を中心に取り上げて疑問を投げかけている。産経も同様に「日産の本気度に疑問」との見出しで「不祥事に向き合う姿勢にも疑問が残り、“連鎖”を断ち切ることができるかは不透明だ」としている。

こうした中、日経は1面トップで「トヨタ全店で全車販売、脱・系列、車種も半減」と報じたこともあり、「トヨタ自動車、ホンダ、ダイハツ工業を除く各社で問題が発覚している」と指摘しながらも日産とスズキの不正の記事は地味な扱いだ。

今回、日産とスズキも「新たな不正」が発覚したが、そこで興味深いのは「両社とも、検査不正のあった車両はいずれも国の基準を満たしていることを確認しており、品質に問題はない」としていることである。つまり、リコールの必要はないという。

日産の山内康裕CCOによると、「各工程で常に品質を厳しくチェックしており、NGが出ることをあまり想定していない風潮があったのではないか」と語っていた。「100年に一度の大変革期」、時代に合わなくなった国の制度にメスを入れるような見直しも必要ではないだろか。

《福田俊之》

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