LINE botを使った観光ガイドの実証実験、クラリオンが加賀温泉郷で開始

行きたい観光スポットまでのルートがLINE上で設定できる

加賀市内を温モビで体験試乗、実証実験は3月31日まで

通信機能が欲しい

多言語ナビ機能で観光ガイドを試験導入する「温モビ」
多言語ナビ機能で観光ガイドを試験導入する「温モビ」全 13 枚

クラリオンは10月12日、加賀市観光交流機構、山代温泉観光協会/山中温泉観光協会/片山津温泉観光協会の3つの温泉観光協会と協業し、観光客向けにカーナビゲーションとクラウド技術を活用したドライブプランを提案する実証実験をスタートさせた。

行きたい観光スポットまでのルートがLINE上で設定できる

実証実験では、3つの温泉観光協会それぞれが観光客にレンタル提供する2人乗り超小型モビリティ『温モビ』(ぬくモビ。ベース車両は日産『ニューモビリティコンセプト』)に、クラリオンの最新カーナビゲーション「NXV987D」を装着。出発から帰宅まで徒歩を含んだ移動ルートをすべて設定できる、次世代ナビゲーション機能「Door to Doorナビゲーション」を使って目的地までを案内する。

注目は、目的地に設定に「LINE bot」を使うことだ。従来はクルマに乗り込んでから目的地を設定していたが、これを使うことでユーザーは、普段SNSとして使っているLINE上で対話を進めていくうちに目的地設定が終了。

「自然を楽しみたい」「おいしいものが食べたい」等の希望を選ぶと全15コースから3コースが提案され、レンタルした温モビにはその設定が反映される。しかも、対話は日本語以外に英語や中国語、韓国語の計4カ国語に対応し、その言語はナビゲーションのルート案内でも反映されるのだ。
LINEで友達申請した「モビくん(片山津、山代、山中)」を使って目的地を設定LINEで友達申請した「モビくん(片山津、山代、山中)」を使って目的地を設定
加賀市観光情報センターや3つの観光協会へは、ドライブプラン問い合わせが恒常的に多数寄せられており、その中には外国人も数多く含まれる。このサービスを利用することでクラウドを介して地元ならではの旅ルートやウンチクなどを提供することが可能になるわけだ。

また、これまで外国人にとってレンタカーを利用するには道路の不案内さ故のハードルがあったが、4カ国語対応によって、少なくとも温モビを使って目的地へ到着できるという安心感は生まれるだろう。

加賀市内を温モビで体験試乗、実証実験は3月31日まで

12日、報道関係者向けに行われた試乗会では5台の温モビが用意され、LINEで友達申請した「モビくん(片山津、山代、山中)」を使って目的地を設定。「NXV987D」は出発地のWi-Fiを使って設定した情報をダウンロードしてルート案内に展開する。

それに要する時間はアッという間。目的地を決めるにも対話式で行きたい場所が引き出せる流れとなっていて分かりやすい。しかも普段使っているLINE上で行えるのだ。ほとんどの人が目的地を迷わずに設定できるだろう。
温ナビに空調は一切ないので、冬はちょっと寒いかも温ナビに空調は一切ないので、冬はちょっと寒いかも
ただ、「NXV987D」には、直接クラウドにつながる通信ユニットは搭載されておらず、レンタルした施設のWi-Fiから離れると通信は途切れてしまう。目的地へは無事に着いたとして、そこから次へ行く手段が選べないのだ。

たとえば、早めに観光を終えてしまって時間に余裕が生まれた時、もう一つ別の場所を訪れたいと思うこともあるだろう。この日も恥ずかしながら出発地を見失い、加賀市内で迷いに迷ってしまった。こうした状況を防ぐためにも出掛けた先でもLINE botが使える状況は提供して欲しいと感じた。

通信機能が欲しい

これについてクラリオンのスマートコックピット事業戦略部マネージャーの山村信也氏は、「できれば通信ユニットを備えたかったが、今回の実証実験では利用状況のデータを取ることが目的。今回の結果を踏まえた上で、次の展開を考えていきたい」と話す。

片山津温泉観光協会事務局長の大中昌孝氏は「温モビのサービスは2015年9月以来、既に2年が経つ。年間で約1000件の利用があるが稼働率は30%といったところ。今回のサービスをきっかけに稼働率を高め、本格導入へつなげたい」と今回の実証実験に対する期待も込めた。

温モビは山代、片山津、山中の各温泉地に計8台を配備し、利用できるのは実証実験という関係上、加賀市内に限定される。利用料金は1時間1600円と3時間3300円のコースが選べる。この実証実験はクラリオンと「温モビ」専用botシステムを開発したフェリックスが協力し、実証実験は2019年3月31日まで行われる予定だ。

《会田肇》

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