【SUPER GT 第7戦】決勝はレクサスが逆襲、1-2-3-4フィニッシュ!!…GT500クラス優勝はTOM'Sの平川亮&キャシディ

GT500クラス優勝の#1 LC500。
GT500クラス優勝の#1 LC500。全 12 枚

21日、SUPER GT第7戦の決勝レースが大分県のオートポリスで実施され、GT500クラスはホンダ優位だった予選の戦況をひっくり返してレクサスが1-2-3-4独占を果たした。優勝はTOM'Sの平川亮&ニック・キャシディで、2連覇に向けてドライバーズランキング同点首位に並んでいる。

まさに秋晴れといった好天の決勝日、NSX祭りだった前日とはうってかわって、オートポリスはレクサス祭りの様相を呈することとなった。ホンダが1-2-3を独占した前日の予選後、ポール獲得の#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/タイヤはブリヂストン=BS)のドライバーたちが「ここはレースが難しいサーキット」と言っていたことが、いみじくも的中したかたちになる。

思えば、今年のレクサス勢は過去にも決勝で大逆転を演じてきた。それぞれに状況は異なるが、第4戦タイでも予選のホンダ優勢を決勝で突き崩して1-2-3-4フィニッシュしていたし、第5戦富士では予選で優位を築いたニッサン勢の自滅気味な脱落を尻目に、1-2を成している。3メーカーが新車への切りかえ年だった昨季ほどの圧倒的な速さこそ影を潜めたレクサスLC500勢だが、決勝レースでのペースの良さは依然健在、というところだろう。

今回のオートポリス戦も決勝300kmレース(65周)が進むにつれて、次第にホンダ勢の旗色がわるくなり、タイミングモニターの上位にはレクサス勢が名を連ねるようになった。終盤には1-2-3-4が確定的な状況に。1-2はTOM'Sチームの2台が#36 au TOM'S LC500(中嶋一貴&関口雄飛/BS)、#1 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N.キャシディ/BS)の順でかためており、最終盤に前年王者#1がトップ浮上、そのまま今季初優勝を飾った。#36が2位に続き、TOM'Sは第5戦富士以来の1-2フィニッシュを当時とは逆の順番で飾っている。

GT500クラスの表彰式(中央左がキャシディ、右が平川)。GT500クラスの表彰式(中央左がキャシディ、右が平川)。

優勝 #1 レクサス 平川亮
「予選ではNSX勢にトップ3をもっていかれて正直、落胆しましたし、まさか優勝できるとは思っていなかったです。でも、決勝では我々レクサス勢、特にTOM'Sは1-2ですから『強いな』と(我ながら)思いますね。ピットのタイミングも良かったですし、チームが頑張ってくれたおかげです。(マシン開発を担っている)TRDと(タイヤ供給社の)ブリヂストンに感謝しています」

優勝 #1 レクサス N.キャシディ
「今日は(チャンピオンシップのことを考えて)普段よりもリスクを負わずに、タイヤに気をつかいつつ、とにかく(シリーズリーダーの)#100 NSXの前に出ることを考えて戦った。いいペースで走れたと思っている。チームとTRD、レクサス、みんなに感謝しているよ」

決勝はレクサスLC500勢が逆襲することとなった。決勝はレクサスLC500勢が逆襲することとなった。

TOM'S勢1-2の後ろ、3位には#19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資&山下健太/ヨコハマ=YH)が入り、4位には#38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路&石浦宏明/BS)が続いてレクサス1-2-3-4。3位の#19は、300km戦では異例といってもいい2回のピットストップを経ての表彰台獲得だった。レース前半にセーフティカー導入があったことで、その前にこなしていた1回目のピットストップのロスタイムをほぼ帳消しにすることができ、それも利しての好走で表彰台をゲットしている。

予選1-2-3だったNSX勢は、3位スタートのシリーズポイントリーダー #100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&J.バトン/BS)の5位が決勝最高位。#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大&小暮卓史/BS)は6位、ポール発進だった#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/BS)は他車に接触されたりしたこともあって、最終的に12位だった。また、予選で大苦戦したニッサン勢は今回、決勝でも浮上を果たすことができず、#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(J-P.デ.オリベイラ&高星明誠/YH)の7位が最上位。

#1 LC500は予選5位からの逆転優勝。#1 LC500は予選5位からの逆転優勝。

この結果、最終戦を前にGT500クラスのドライバーズチャンピオン争いは以下のような状況に絞り込まれている。

67点/#100 NSX(山本尚貴&バトン)
67点/#1 LC500(平川亮&キャシディ)
55点/#36 LC500(関口雄飛*)
50点/#8 NSX(野尻智紀&伊沢拓也)

決勝2位の#36 LC500。決勝2位の#36 LC500。

*<注記> #36 関口のパートナーである中嶋一貴はWEC参戦によるSUPER GT欠場があったため、関口とはポイントが異なる。最終戦でポール・トゥ・ウインすれば21点獲得できるので、現在47点の一貴も数字的には圏内だが、実質的には個人としてのタイトル獲得権がない。

ニッサン勢はすべて脱落し、ホンダとレクサスの各2台にチャンスが残った。なお同点首位の#100と#1は、上位着順の差で厳密に言うと#100が現在首位。いずれにしても#36と#8の可能性は厳しく、原則全車ノーハンデの最終戦、タイトル争いは#100と#1の実質一騎打ちに近い状況となることが予想される。

#36 LC500は予選4位から決勝2位に。#36 LC500は予選4位から決勝2位に。

追いつかれた格好の#100 NSXだが、NSX勢に厳しかった決勝レースの展開のなか、予選から2ポジションダウンと、NSX勢では比較的落ち幅の少ない結果を得られたことに対し、山本は「(状況を考えれば)ベストは尽くせたと思いますし、チームもセットアップ、戦略の両面でいい判断をしたと思います。同点で済んで良かった、と前向きに考えていきたいですね」と語り、もてぎ決戦を睨む。そして相棒の元F1王者、SUPER GTフル参戦は今季が初のバトンも、「とにかくファイトし続けるしかない。最終戦では#1をターゲットに戦う」と“ルーキー戴冠”への決意を新たにしていた。

最終戦は3週間後の11月10~11日、栃木県のツインリンクもてぎ(ロードコース)での開催だ。シリーズ最短250kmのスピード勝負で、王座の行方が決まる。

決勝3位の#19 LC500。決勝3位の#19 LC500。

《遠藤俊幸》

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