プラットフォームはBMW、ベトナムの振興メーカーにみるクルマの新しい作り方…パリモーターショー2018

ヴィンファストLUX A2.0
ヴィンファストLUX A2.0全 14 枚

「VINFAST(ヴィンファスト)」という自動車メーカーを知っている人は、そう多くはないだろう。なぜなら、これまで独自の自動車メーカーのなかった国であるベトナムの、新興自動車メーカーだからだ。

パリモーターショーでは『LUX A2.0』というセダンと『LUX SA2.0』というSUVの2台が公開された。開発はデザイン決定からなんと1年にも満たないほどの短期間でおこなわれたという。

ヴィンファストの親会社となる親会社はベトナムで不動産から農業まで幅広く事業をおこない急成長している巨大企業グループ。2019年からの市販を目指しているという。

興味深いのは、新しい自動車メーカーでノウハウがないにもかかわらず、どうして短期間で車両を開発できたのかということだ。デザインはピニンファリーナと共同とのことだが、デザインだけでクルマは作れるものではない。

秘密は、技術転用にある。セダンもSUVもプラットフォームは他の自動車メーカーから知的財産権を購入し、それをベースに設計したと言われているのだ。そのメーカーとはBMW。セダンは1世代前の『5シリーズ』、SUVは1世代前の『X5』のプラットフォームを基本としているというわけである。

そう言われてみると、シルエットは5シリーズやX5によく似ている。そしてインテリアも、たとえばパワーウインドウのスイッチやシート調整スイッチなどもBMWの面影を感じた。

エンジンはどちらも2.0リットル4気筒ターボだが、それもBMWのN20型からバルブトロニックを外すなどデチューンしたものだという。「技術がなければ買えばいい」というわけだ。

ただし公開された車両はまだ初期の試作車というレベルで、ウインドウはアクリルだし、ドア開口部の設計も鉄板のプレスを考えていない状況で、量産の水準ではなかった。

ちなみにベトナムではトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、GM、ヒュンダイなどが現地生産をおこなっている。それらのメーカーと取引のあるサプライヤーを活用し、車両を製造する算段なのだろう。メガサプライヤーのボッシュやシーメンスとも契約を結んだとも報じられている。

《工藤貴宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  2. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  3. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  4. アルファロメオの新型コンパクトSUV『ジュニア』日本発売、ハイブリッド車が420万円から
  5. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る