新レースシリーズ「TCRジャパン」が2019年の開催概要を発表…特徴は「土曜と日曜は別シリーズ」

左から倉下、ロッティ、阿部の各氏。
左から倉下、ロッティ、阿部の各氏。全 4 枚

27日、スーパーフォーミュラ最終戦とWTCR日本戦を併催中の鈴鹿サーキットで、2019年から始まる「TCRジャパンシリーズ」の開催概要等が発表された。

TCRジャパンは、WTCR(世界ツーリングカー・カップ)等と同じTCR規定のツーリングカーを使用して争われるスプリント戦のレースシリーズで、既に今年8月の段階で来季以降、スーパーフォーミュラ(SF)との併催ベースでの発足を目指すことが公表されていた。その後、日本TCRマネジメント株式会社が、TCRを統括するWSC(World Sporting Consulting,Ltd)との間にTCRジャパンシリーズの開催権契約(~2024年)を締結、この日の開催概要発表に至ったものである。

(*日本TCRマネジメント株式会社:SFのシリーズ運営団体「JRP」など数社によって新たに設立された、TCRジャパンシリーズのプロモート組織)

会見にはJRPと日本TCRマネジメントの社長である倉下明氏、WSC代表のマルチェロ・ロッティ(Marcello Lotti)氏、そしてTCRジャパンのコントロールタイヤ供給社に決まったヨコハマのモータースポーツ推進室長・阿部義朗氏が登壇した。

2018年WTCR鈴鹿戦の模様。2018年WTCR鈴鹿戦の模様。

ロッティ氏は近年のTCRレースの世界的な広がりについて「想像以上です。多くの(TCR規定車をつくった)マニュファクチャラーと(各シリーズを主催する)プロモーターのおかげです」と語りながら、「既に30ものシリーズが世界中で開催されています」と誇らしげに話した。そして「日本の“TCRファミリー”入りは待望していたものであり、歓待します」との旨も語っている。

TCRジャパンの基本的なレースフォーマット(以下、すべて暫定)は、金曜に公式練習走行、土曜と日曜に予選+決勝がそれぞれ実施され、決勝は23分間+1周となる。参加選手には、いわゆるジェントルマンドライバー(アマチュア上位層)を企図。特徴的なのは土曜と日曜を原則的に“別のシリーズ”とする点だろう。TCRサタデーシリーズとTCRサンデーシリーズが存在し、それぞれ別のチャンピオンシップを年間で争うことになる。

2018年WTCR鈴鹿戦の模様。2018年WTCR鈴鹿戦の模様。

これは、レース以外に本業をもつジェントルマンドライバーの職業的都合による「曜日個別参戦」を可能にし、1台のマシンを2人でシェアして「土曜はA選手、日曜はB選手」というコスト面に優しい参戦スタイルの実現にもつながる(もちろん1人で土日とも参戦してもいいだろう)。いろいろな参戦の仕方を創出し、間口を広げたいのがシリーズ側の主眼だ。

また、ゼッケン(車両競技番号)単位で土曜と日曜の両シリーズのポイントを合計したエントラントチャンピオンも制定され、そのチャンピオンチームの車両モデルにはモデル オブ ザ イヤーが与えられる。

2018年WTCR鈴鹿戦の模様。2018年WTCR鈴鹿戦の模様。

レース参加資格については、FIAのドライバー区分でプラチナやゴールドに属するレベルの選手は参戦できず、シルバー以下が基本(詳細は調整中)。大雑把にまとめれば、SFやGT500を主戦場とするトッププロはレースには参加しない(できない)ということになるだろう。ただ、金曜の公式練習走行にはトッププロが走行してレース参戦ドライバーにティーチングができるようなかたちも可能にする方向だという。そして、レース参加が認められた層のなかで総合クラスとジェントルマンクラスが設けられる。

初年度の参加台数は10台前後を見込んでいるそうだ。開催は5~6大会の予定で、5大会の日程は下記のように発表されている(いずれもSFとの併催)。

<2019年 TCRジャパンシリーズ カレンダー案>
5月18~19日 オートポリス
6月22~23日 スポーツランドSUGO
7月13~14日 富士スピードウェイ
9月28~29日 岡山国際サーキット
10月26~27日 鈴鹿サーキット
(3月26~27日に富士スピードウェイでテストを実施予定)

2019年はSFのレースウイークエンドに新たな楽しみが増えることになる。

《遠藤俊幸》

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