プリンスセダン と自動運転、伝統と未来…クラシックカーフェスティバル in 桐生

リンカーン・コンチネンタル
リンカーン・コンチネンタル全 36 枚

11月4日、群馬大学理工学部桐生キャンパスにおいて、第13回クラシックカーフェスティバルin桐生が開催された。主催はクラシックカーフェスティバルin桐生実行委員会。

織物の都として約1300年の歴史を誇る産業観光の街、桐生市で開催されているこのイベントは、毎年2万人以上が集まる桐生市を代表する一大イベントだ。今年も2万2000人が来場し、終日キャンパスは多くの人でにぎわっていた。

毎年何らかのテーマが決められ、それに沿ったメイン展示車が選ばれるが、今年は平成最後の年であることから、今上天皇が皇太子時代に初めて自分で運転したたま『プリンス・セダン』(AISH)を特別展示。このプリンスという名称は、昭和27年がちょうど皇太子明仁親王の立太子礼の行われる年であったことから、プリンスと命名されたという。1954年に日比谷公園で開催された第1回日本自動車ショウで展示されたAISHを陛下が気に入られ、愛用された。最高出力は45ps、トランスミッションの2速以上にシンクロ機構を備えた初の日本車であった。

このほかにもラリー車がフィーチャーされ、1970年に開催された第18回東アフリカサファリラリーにて総合優勝を果たした日産『ブルーバードSSS』のほか、今年のモンテカルロヒストリックにプライベート参戦した伊香保おもちゃと人形自動車博物館館長の横田正弘氏が所有する日産『フェアレディ240Z』が展示され、注目を集めていた。

また、クラシックカーばかりではなく、「長年のクルマの伝統の上に新しい社会、新しい移動手段の発展がいま起ころうとしている。そのように伝統と新しい未来を楽しめるフェスティバルだ」と群馬大学理工学部長の関庸一氏は述べ、自動車にまつわる講演として、“群馬大学における自動運転の取り組み”と題し、群馬大学大学院理工学府知能機械創製部門准教授であり次世代モビリティー社会実装研究センター副センター長の小木津武樹氏によるプレゼンテーションも開催。単に昔を懐かしむだけではなく、これからの未来をも見据えたほかにないイベントとして、新たな1歩を踏み出したといえよう。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型マツダ『CX-5』発表に「先代よりマッチョ」「今風になった」など反響! 注目はサイズとインテリア
  2. レクサスの新境地を開くか...『ES』に「スポーツクロス」導入の噂
  3. スバル初の小型EVクロスオーバー『アンチャーテッド』、7月17日発表へ
  4. 何が変わる? 国交省が自動車整備の「事業規制」を見直し…知っておくべき7項目
  5. ほんと? マツダ『CX-5』新型、価格は350万~420万円か
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
ランキングをもっと見る