新幹線500系にICE、東京メトロ10000系…ノイマイスター氏が自身の鉄道デザインを振り返る

アレクサンダー・ノイマイスター氏
アレクサンダー・ノイマイスター氏全 6 枚

新幹線『500系』や東京メトロ『10000系』などを手がけたことで知られるデザイナーのアレクサンダー・ノイマイスター氏が、これまで手がけた車両の思い出や裏話を語る。そんな講演会が11月3日に開催された。

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このイベントはJIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)東日本ブロックが主催。ノイマイスター氏との共同事業も手がける、ドイツのネオマインド・デザインスタジオ社とJIDAの縁によって実現したもの。会場となったGKデザイン機構(東京・豊島区)には、およそ100人弱の聴衆が参集した。

講演はノイマイスター氏のこれまでの仕事を、写真やスケッチとともに振り返り、当時の思いを語るという内容。まずウルム造形大学を卒業後、日本へ留学したことをきっかけに高速列車をデザインしたいと考えるようになり、実際に帰国後はリニアモーターカー『トランスラピッド』のデザインに携わるようになったという。

その後に手がけたミュンヘン地下鉄1、2号線用車両のプロジェクトからは、常にモックアップでデザイン提案をするようになったと語った。ただし初期の車両では、ベンチシートに座った乗客が加速時に尻滑りしてしまうという問題が起き、照明やドア開閉サイン等の改善とともにクッションを追加する処置をしたという。

また『500系』の前身となるスタディモデル『HST350』のプロジェクトでは「服部さん(日立製作所の服部守成氏)という、とてもよい友人に出会えた」と振り返る。500系でグッドデザイン賞や機械工業デザイン賞を獲得し「日本人以外で初の機械工業デザイン賞受賞者となったのは、とても光栄です」という。ちなみに現在の新幹線車両の車両断面が四角いことは「とても残念に思っている」とか。

このほかドイツのICEシリーズやスペインのIVEといった高速車両、福岡市地下鉄『3000系』や東京メトロ『10000系』、北京地下鉄1号線といった地下鉄車両など、幅広い事例を紹介。最後に直近の仕事、西武『40000系』の外装やイギリスの『クラス800』を紹介して講演は終了した。

印象的だったのは、内外装それぞれでモックアップを作ることの重要性を何度も訴えたことだ。「すべての人は感覚が異なり、さまざまなものの捉え方をする。だからアイデアや可能性を確実に伝えるために、内外装のモックアップを作るようにしている」とのこと。ある国の高速鉄道プロジェクトでは「スケッチだけでいい。モックアップは不要」と言われ、非常にやりづらかったとも語っている。

《古庄 速人》

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