ヤマハは新しいパーソナルモビリティへの積極投資を表明…EICMA 2018

3CTプロトタイプ
3CTプロトタイプ全 18 枚
ヤマハはEICMA開幕前夜、ミラノ市内でカンファレンスを開催。ここではワールドプレミアとなる『3CTプロトタイプ』と『テネレ700』をはじめ、最新モデルを一挙に紹介した。

カンファレンスはまず、ヤマハ発動機の日高祥博社長が登場。最近の高収益は積極的な投資を可能にし、同社の戦略の基盤となる3つの「鍵となるエリア」に投資するとスピーチした。まず最初に、未来に向けて継続的なイノベーションのための研究開発やテストを続け「車輪の数や動力源にかかわらず、ヤマハはますます多くのパーソナルモビリティを提供する」と告げた。

次の鍵は、顧客との「ライフタイム・リレーションシップ」(生涯にわたる繋がり)だという。さまざまな世代、カルチャー、コミュニティに高品質な製品を提供するだけでなく「ソリューションとテクノロジーを組み合わせて、顧客がより充実した生活を送れるものにしたい」とのこと。

3つめは電動モビリティへの投資。ここでは電動トライアル車『TY-E』や、電動アシスト自転車のこれまでの実績などに触れ、今後はさらに注力する姿勢を表明。また、こうした投資のひとつとして、新横浜に「ヤマハモーター・アドバンスドテクノロジーセンター」を設立することも、あらためて告知された。ここではロボティクス技術、デジタルマーケティング、データ分析などを手がけることになるという。

この後は新モデルの紹介。最初に登場したのは3CTプロトタイプ。ヤマハの3輪技術、LMVの「次のステップ」として紹介された300ccモデルだ。「コンセプト」ではなく「プロトタイプ」と名づけられていることから、市販のタイミングもそう遠くないことを予感させる。

同モデルには、停車時にライダーをサポートする「革新的なチルトロックアシスト機構」が採用されている。これはフロントフォークをロックすることなく車体を自立させるもので、停止時だけでなく、ライダーが車体から降りて取り回す際にも機能する。なおLED照明を内蔵するシートは3Dプリンティングで作られたとのことだが、これはショーモデルとしての装い。

カンファレンスに登場した新モデルのなかで、聴衆がもっとも沸き立ったのはテネレ700だった。ヤマハの伝統的アドベンチャーモデルの名を冠された新モデルは700cc並列2気筒を新設計の軽量ダブルクレードルフレームに搭載。ホイールベース1590mmというコンパクトな車体と240mmの最低地上高で走破性を確保した。

ラリーレイドモデルさながらのスタイルに、『T7コンセプト』で提案されていた近未来的な4眼LEDライトを持つのがデザインの特徴。ヘッドライトとポジションランプが2灯ずつという構成だ。「力強い顔つきは、この新しいアドベンチャーバイクの目的と一致し、印象的なキャラクターとなっている」とメーカーでは説明している。

カンファレンスではこのほか、すでに発表済みの新モデルや既存車種の追加バージョンなどが続々と登場。『XMAX』シリーズの派生モデル『X MAX IRON MAX』、『YZF-R3』とそのサーキット専用モデル『YZF-R3 GYTR』、『YZF-R125』、『NIKEN』のGTバージョン『NIKEN GT』、『XSR900』を『XT500』風にカスタマイズした『XSR XTribute』、『YZF-R1』サーキット専用モデル『YZF-R1 GYTR』のプロトタイプという顔ぶれだった。

《古庄 速人》

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