【マツダ デミオ 1.5 新型試乗】MBとどう違うの?はい、違い、あります…中村孝仁

ガソリンエンジンが1.3Lから1.5Lへ

「MB」との違いは

MTを敢えてチョイスするのもアリ?

マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5
マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5全 18 枚

ガソリンエンジンが1.3Lから1.5Lへ

現行モデルがデビューした時、コンパクトカーにディーゼルモデルが誕生して、マツダ『デミオ』が大いに脚光を浴びたのだが、一方でガソリンエンジンは?どうもいまいちパッとしない…と感じてしまった。

というか、そもそもディーゼルを遡及して売り出したクルマだからという側面があって、ガソリンエンジンは1.3リットルで、デビュー当初はディーゼル7割、ガソリン3割の販売比率だったので、やはり日陰者だった。勿論この比率はあくまでも2014年当時のもの。調べたわけではないけれど、結局のところ、30万円高額なディーゼルは、ランニングコストで価格差を回収できるか否かを考えた時、「無理だよね」となってガソリン車を購入する方が少なからずいたはずで、だいぶ比率は変わっているはずである。

で、今回そのガソリン車のエンジンが1.5リットルに格上げされた。んっ?もうあるじゃない?「MB」が。MBのエンジンは1.5リットル直噴で、パフォーマンス的には当時の1.3リットルと比較して 25%前後アップした性能となっていた。それにそもそもMBとは「モータースポーツベース」の略で、装備も簡素化されていたから車重も20kgほど軽かった。

「MB」との違いは

マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5
で、今回試乗した新しいガソリンの1.5リットル仕様である。SKYACTIV-G 1.5であるから、基本的にはMB用と同じなのだが、あちらはモータースポーツ用らしく圧縮比が高く、よってプレミアムガソリンを所望し、こちらはというと圧縮比を下げて質素なレギュラーガソリンで走れるという寸法である。大きな違いだ。

ではそれほど走りに差があるか?答えは「ない!」である。しかも今回試乗したのは6速MT仕様。というわけでほとんどMBと仕様が変わらない。否、MBは考えてみると室内の仕様がかなり質素で、ほとんど何もついていなかったのだが、今回のモデルは「ツーリングLパッケージ」で、ぐっと豪華。

最新のデミオはカラー化されたヘッドアップディスプレイは付くわ、シートヒーターは付くわと、初代のデミオとは大違い。当然MBとも違う。それにシートも「グランリュクス」と呼ばれるスエード調の人工皮革が採用されていて、これはドアトリムや助手席前のインパネにまで及ぶ。だからぐっと快適だし、遮音もしっかりしているのか快適性は確実にこちらが上である。

MTを敢えてチョイスするのもアリ?

マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5
元々1.3リットルでもその走りは軽快で愉しめるエンジンだったのだが、今度はやはりトルクフルになって手抜きドライブが出来る。それにトランスミッションだって1.3リットル時代のMTは5速だったけれど、1.5リットルは6速だから、その面でもだいぶ走りのイメージが違っている。

等々、少なくとも1.3リットルと比較した時は随分違う。特に1.3リットルは2速と3速が離れ気味で、2速で少し引っ張ってやらないと、3速に入れた時の加速にもたつきが出る印象があったが、今回は6速になった恩恵からか、そんなことは全く感じなかった。

今回の商品改良では他にフロントウィンドーに紫外線や赤外線を遮断するスーパーUVカットガラス・IRカットガラスというのを採用しているそうだ。

デビューから5年、モデルサイクルから考えても恐らくこれが最後の商品改良になるであろうデミオ。MTを敢えてチョイスする人は少ないかもしれないが、長距離の移動をする人ならば確実にATよりは好燃費が期待できるはずである。
マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5マツダ デミオ SKYACTIV-G 1.5

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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