クルマを使った地域の助け合い「みやぎチャレンジ」、日本カーシェアリング協会が参加

日本カーシェアリング協会の事務所を訪問。事務所の中にはみやチャレをはじめ、支援を呼び掛ける案内が。
日本カーシェアリング協会の事務所を訪問。事務所の中にはみやチャレをはじめ、支援を呼び掛ける案内が。全 7 枚

東日本大震災以降、全国の自然災害による被災地の復興をカーシェアリングを通して行ってきた一般社団法人日本カーシェアリング協会が、宮城県内で社会課題解決へ向けて活動する団体を支援する「みやぎチャレンジプロジェクト(みやチャレ)」に参画、支援を呼び掛けている。

震災をはじめ、最近頻発している大雨による水害被害。こうした被災地の復興の第一歩の動き出しは、人、モノの交流流通が欠かせない。また動ける人からできるだけ被災前の暮らしに近い生活に戻っていき、地域を活気づけることが大切ながら、自動車依存度の高い地域において、官民問わずクルマがなくなってしまって初動が遅れるという状況は少なくなかった。

東日本大震災で被災地のニーズを足で地道に収集し、全国でクルマを提供してくれる個人、企業への働きかけ、マッチング、管理などを行い、被災地へクルマを集める取り組みをしてきた非営利組織が日本カーシェアリング協会だ。

そうした取り組みを通して、クルマを通じて復興過程にいわば「張り付いて」いる日本カーシェアリング協会は日々刻々と変化する、地域の抱える問題にも敏感だ。

今回のみやぎチャレンジプロジェクトは、1月1日~3月31日の期間中、宮城県内で社会課題解決へ向けて活動する参画団体が寄付金を募り、集まった金額と同額を宮城県共同募金会が上乗せして助成してくれるマッチング寄付プログラムだ。日本カーシェアリング協会も、本拠地を置く石巻でも、一見街並みだけ見たら復興が進んでいるように見えても、震災当時とは違う深刻な問題が起こっているのだという。

「被災地支援と一言で言っても、その地域ごとその時々で抱えている問題は違います。地域で融通しあってクルマが使える地域。ここに対応した方がいい場合など、土地柄のようなことも影響しているかもしれません。この石巻では、高齢化やコミュニティの希薄化、それに伴い多数の交通弱者が発生しています。私たちは『コミュニティ・カーシェアリング』という手段を使って、人間関係を育み、助け合いを生み出すことで地域コミュニティの力をつけていきたいと思っています。来年より、新規地域へのカーシェアリングの導入と既存の導入地域で円滑に活動運営ができるようフォロー体制を強化していきたいと思っていまおり、この機会に支援を呼び掛けている次第です。」とカーシェアリング協会では話す。

車両も、活動資金も寄付を募って集めてきた日本カーシェアリング協会。伺った日も、神奈川県で、高齢につきクルマの運転をやめるという人から「せっかくなら役立ててほしい」と軽自動車が届けられた。

宮城県共同募金会からのマッチングの上限金額は80万円。3月31日までの期間に100万円の支援を目指している。また、みやチャレへの寄付は、共同募金会経由の指定寄付扱いとなり、個人・法人ともに税制面での優遇措置もあるという。

《中込健太郎》

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