コンチネンタル第6世代のエコタイヤはアウディ A7 にも純正装着…ジレンマも

コンチネンタルEcoContact6
コンチネンタルEcoContact6全 10 枚

コンチネンタルが21日発表した『EcoContact6』は、燃費、ハンドリング、ブレーキ性能、ウェット性能、耐摩耗性能を高いレベルで実現したタイヤだ。エコタイヤでありながら、大型の輸入車にも採用されるほどの高性能が売りなのだが、それゆえの悩みもありそうだ。

【画像全10枚】

EcoContact6は、コンチネンタルのハイパフォーマンスタイヤ、コンフォートタイヤに分類されるラインナップが、それぞれSportContact6、PremiumContact6に整理されたことに伴い、従来のContiPremiumContact5とContiEcoContact5を統合したものとなる。5や6は製品の世代を表している。

発表会で商品技術のプレゼンを行ったコンチネンタルタイヤ・ジャパン 技術サービス&トレーニング・マネジャー小川直人氏によれば「ContiEcoContact5は14インチから20インチまでのサイズをカバーするオールランドなタイヤ。銘柄が示すように、国内ならラベリング表示で分類されるエコタイヤに相当するシリーズだが、大幅な性能アップを施し、ContiPremiumContact5と同等またはそれ以上の性能を誇る」という。

どれくらいの性能アップかというと、ContiPremiumContact5を100とすると、転がり抵抗で115、耐摩耗性能で120、ハンドリング性能(グリップ、旋回速度、安定性など)で117と20%前後の性能向上が実現されている。

性能向上を支える技術は、「シリカの増量とそれに伴う添加剤の特別な配合。トレッドの接地面やサイドウォールの走行中の変形を最適にするタイヤ構造、コンパウンド、トレッドパターンの工夫」(小川氏)だ。シリカは転がり抵抗を下げるための定番の素材だが、ゴム分子とは混ざりにくいので、均一な分子構造を作るための乳化剤や添加剤が各社の工夫であり、通常、レシピは非公開だ。タイヤ構造は、乗り心地やハンドリングに影響する。トレッドパターンやコンパウンドはハンドリング、ウェット性能、ブレーキ性能を決める要素の代表だ。

結果的に、従来はコンフォートタイヤに分類されていた第5世代より、性能が上となる第6世代のエコタイヤということになる。エコタイヤというと、日本ではラベリング制度の表示が思い浮かぶが、EcoContact6は、JATAMAのAAA/aに相当するEUラベルA/Aを取得している。

EcoContact6は、2019年に93サイズの発売が予定されており、「3月までに31サイズの発売が確定している。純正装着も承認が進んでおり、フィアット『パンダ』のようなコンパクトカーからアウディ『A7』、メルセデスベンツ『Cクラス』など12車種の承認が降りている」(小川氏)そうだ。

大型の輸入車にも対応するエコタイヤということで、別の問題もでてきそうだ。アウトバーンのような高速走行、長距離巡航ならば、SportContactやPremiumContactのメリットが生きてくるが、国内での走行を前提にすると、EcoContact6で十分という考え方が可能だ。乗り心地や静粛性が変わらない(それ以上)なら、ハンドリングやウェット性能に優れ、燃費や耐摩耗性もいいタイヤのほうがいいに決まっている。

奇しくも小川氏は、質疑応答において次のように答えている。

「このタイヤは、環境性能とコンフォートタイヤの機能を両立しているという点で、新しいセグメントと考えている。現状、コンチネンタルのタイヤは、17インチサイズ、大型の輸入車での採用、購入が多いが、EcoContact6は、従来の売れ筋とは違った動きを見せてくれるかもしれない。」

EcoContact6は、コンチネンタルがこれまで浸透しにくかったコンパクトカーやSUVなどのセグメントに食い込んでくる可能性を示している。軽自動車の市場は同社にとってまったくの新市場であり、全体としては国内シェア拡大の期待が大きいといえる。おそらく、コンパクトカーや軽自動車の伸びしろの方が大きいが、日本ではPremiumContact6やSportContact6の市場を奪う可能性もゼロではない。

なお、Conti~という銘柄がわかりにくいかもしれないが、同社のルーツであるコンベアのベルトなどのゴム製品の事業をCONTITECHと呼ぶように、もともとコンチネンタルの製品には「Conti」というプレフィックスがつくことが多い。ContiSportContactはグリップやハンドリング、ドライ性能を重視したハイパフォーマンスタイヤ、ContiPremiumContactが乗り心地や静粛性にこだわったコンフォートタイヤ。燃費やロングライフ、ウェット性能に寄せたものがContiEcoContactというラインアップになっていた。第6世代になったとき、銘柄のプレフィックス「Conti」を廃止した。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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