フェラーリ F8トリブート、488GTB 後継は720馬力…ジュネーブモーターショー2019で発表予定

0~100km/h加速2.9秒、最高速340km/h

エアロダイナミクス性能を追求した新デザインを採用

エンジンルームが見える設計にF40のデザイン要素を盛り込む

フェラーリ F8トリブート
フェラーリ F8トリブート全 8 枚
フェラーリは2月28日、スイスで3月5日に開幕するジュネーブモーターショー2019において、フェラーリ『F8トリブート』(Ferrari F8 Tributo)を初公開すると発表した。

F8トリブートは、『488GTB』の後継モデルだ。フェラーリ伝統の2シーターベルリネッタであり、F8トリブートのネーミングには、オリジナルモデルの妥協なきエンジンレイアウトと、パワーへのオマージュが込められている。

◆0~100km/h加速2.9秒、最高速340km/h

ミッドシップに搭載されるのは、排気量3902ccのV型8気筒ガソリンツインターボエンジンだ。最大出力は720hp/8000rpm、最大トルクは78.5kgm/3200rpmを獲得する。488GTB(最大出力670hp、最大トルク77.5kgm)に対して、パワーは50hp、トルクは1kgm強化された。

F8トリブートでは、軽量化も推進。乾燥重量は1330kgに抑えた。これは、488GTBの1370kgに対して、40kg軽い。F8トリブートは、0~100km/h加速を2.9秒で駆け抜け、最高速は340km/hに到達。488GTBの0~100km/h加速3秒、最高速330km/hを上回るパフォーマンスを実現している。

このエンジンは、ターボラグを全く感じさせることなく720hpの出力を発揮し、同時に刺激的なエグゾーストサウンドを奏でる。自然吸気エンジンに匹敵するこの瞬発力には、先進のビークルダイナミクスソリューションが貢献している。これによって、操縦性能も大幅に向上。マネッティーノの「RACE」ポジションで最新バージョンのフェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE+)を作動させるという初の試みも、走行性能を向上させる新技術のひとつだ。これにより、さらに多くのドライバーが限界域でのパフォーマンスを簡単に引き出し、コントロールできるようになったという。最新バージョン(6.1)のサイドスリップ・アングル・コントロール・システムも搭載する。

◆エアロダイナミクス性能を追求した新デザインを採用

F8トリブートのデザインは、「フェラーリ・スタイリング・センター」が担当した。優れたパフォーマンスと卓越したエアロダイナミクスというフェラーリならではの特徴を、新たなデザインアプローチで継承することを目指した。

F8トリブートのエアロパッケージには、サーキットで培われたノウハウが導入された。後傾マウントのフロントラジエターをはじめ、ボディ側面後部からリアスポイラーの両側に設置場所を移したダイナミックエンジンエアインテークなど、エンジンの熱管理に関するいくつかの機能を488GTBの高性能モデル、『488ピスタ』から受け継ぐ。

フロントには488ピスタで初めて導入された「Sダクト」を備えつつ、デザインを一新した。その結果、488 GTBよりも増したダウンフォースにおけるSダクトの貢献度は、15%まで向上しているという。

また、エアロダイナミクスの開発チームは、よりコンパクトになったフラットタイプの新型LEDヘッドランプの採用により、ブレーキ冷却用の新型インテークをバンパー外側のインテークと一体化させた。その狙いは、さらなる高速化に向けた対応策として、ホイールアーチ全体の気流を改善することにより、ブレーキシステムのサイズ拡大を避けることにある。

◆エンジンルームが見える設計にF40のデザイン要素を盛り込む

リアには、新開発のレキサン製ウインドウが採用されており、エンジンルームを透過して見ることができる。これは、フェラーリを象徴するV8モデル、『F40』の特徴的なデザイン要素を現代的にアレンジしたものだ。リアウインドウのルーバーは、リアで発生するダウンフォースの増加に向けて、さらに進化したブロウンスポイラーの効率に悪影響を及ぼすことなく、エンジンルーム内の熱気排出を促す。

またスポイラーは、テールライトを包むことで、視覚的に車両の重心位置を下げ、ツインライトクラスターとボディカラーのテールパネルというフェラーリのクラッシックモデルのテール構成を復活させた。これは伝説的なこのシリーズ最初のモデル、1975年の『308GTB』など、初期の8気筒ベルリネッタフェラーリのシンボルのひとつだ。なおボディサイズは、全長4611mm、全幅1979mm、全高1206mmとなる。

インテリアは、フェラーリのミッドリアエンジンベルリネッタ伝統のドライバー重視のクラシックなコックピットデザインを踏襲する。ダッシュボード、ドアパネル、トランスミッショントンネルなど、個々の要素はすべて再設計された。

新世代のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)に加え、円形エアベント、新デザインのステアリングホイールやスイッチ類、新型7インチのパッセンジャータッチスクリーンディスプレイなどが装備された。ステアリングホイールの小径化によって、グリップ感覚が強化され、細かなステアリング操作に反応する車両の挙動がより明確につかめるようになった、としている。

《森脇稔》

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