【マツダ CX-5 2.5ターボ 新型試乗】まさに韋駄天!加速の鋭さに驚く…中村孝仁

マツダ流「ライトサイズ・ターボ」

まさに韋駄天、加速の鋭さに驚く

ディーゼル的な性格の良し悪し

マツダ CX-5 2.5ターボ
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マツダ流「ライトサイズ・ターボ」

マツダの常務執行役員・シニア技術開発フェローである人見光夫氏。マツダエンジンのボスだ。この方以前から持論としてダウンサイジングターボは効率が悪いからダメ…と我々に公言してきた。ダウンサイズがダメなら何がいいのか?それはライトサイズ、つまり適正なサイズのターボだと。その結論として出てきたのが2.5ターボなのであろう。

『CX-5』用のガソリンエンジンは、すでにNAで2リットルと2.5リットルが用意されているのはご存知の通り。そのデカい方、即ち2.5リットルにターボをつけたのだから、やはり人見さんの持論通り、ダウンサイズではなく、ライトサイズのエンジンにターボをつけたということなのだろう。結果としてその性能は230ps、420Nmに跳ね上がった。

NAが190ps、252Nmだから、特にトルクに関していえば7割近く増強されて、ディーゼルターボに近くなった。しかもその発生回転もディーゼルと同じ2000rpm。つまり、ほぼディーゼル並みをガソリンで狙った結果ともいえる。さすがに燃費の方はそうはいかず、WLTC燃費で12.6km/リットルだから、だいぶ及ばない。

まさに韋駄天、加速の鋭さに驚く


比較するために事前に1週間ほどディーゼルをお借りした。もうだいぶ試乗したから、このクルマについてはわかっているつもり。すぐに乗り込んでやはりイイなぁ。それにお買い得だなぁという実感がこみ上げる。ただ、値段はともかくとして、かなりの強敵が現れ、それが結果から言うとマツダディーゼルのデメリットを白日の下にさらす結果になったのだが、それは後述。それに今回はガソリンターボの試乗だ。

ディーゼルから乗り換えてすぐに感じるのは、静かなディーゼルとはいえやはりガソリンとは比ぶベくも無く、その圧倒的静粛性とスムーズネスを実感させられる。ただ、いきなり雑踏の中へ乗り出して、ガソリンの2.5と比較してそれほど速くなった実感はなかった。ところが、ほぼ50km/h以上で流れている一般国道の流れに乗ると、パーシャル領域から踏み込んだ時のトルク感がまるで違う。

それは机上の数値からも明らかで、2000rpmですでに420Nmを引き出しているターボに対し、NAの方はと言えばMaxトルクが252Nmで、しかもその発生回転数は4000rpmだ。だから、巡航状態の一般国道を50km/h程度で走っている状況で、出ているトルクは大したものではないはず。たぶんターボモデルの半分にも満たないだろう。だからそこから踏み込んだところで、ガバッと踏んでダウンシフトさせない限り、加速は全く緩慢でしかない。しかし、ターボは敢えてダウンシフトさせないレベルで踏み込んでも、グイグイと加速する。というわけで一般道においてもそのドライバビリティーにかなりの違いが出るというわけである。

高速道路ではその差は歴然である。料金所を通過していち早く元のスピードに復帰させようとすると、その加速の鋭さに改めて驚く。まあ周囲のクルマは普通に加速していて、こちらが少し早めの加速をしているという状況を差し引いても、隣に来るクルマがビュンビュン後方に消えていくという印象である。

追い越し車線をのんびり走っていて、後ろのクルマが前を急ぎたいと接近してきた状況(敢えて煽りとは言わないが)で、いや、ゴメンゴメンと一気に加速すると、見る間に後ろのクルマが小さくなるほど。まさしく韋駄天である。

ディーゼル的な性格の良し悪し


勿論イイことずくめではない。6000rpmからレブリミットを示すレッドゾーンが描かれるタコメーターの5000rpmを超えると、音、振動共にかなり急激に大きくなり、しかもピークパワーも230psを4250rpmで出しているためか、まあ見事なほどのどん詰まり感を示す。因みにNAは6000rpmでピークパワーを迎えるので、そこまで引っ張る意味があるのだが、ターボの場合、それはまるでない。

その分トルク及びパワーバンドがエンジン回転の下方向に凝縮されていて、ガソリンエンジンなのに、そもそも回す意味がなくそうした点からも、性格がディーゼル的になっている。だからスムーズにシューンと行くのは精々5000rpm以下だ。勿論それが今の日本の道路状況では抜群の乗り易さを示すことは疑いのないことで、メリットと感じるべきである。

さて、前述したデメリットの話。これはディーゼルで実感し、ガソリンも同様だろうなと推測したものだが、それはトランスミッションだ。今回ほぼ600kmほどを走った燃費は10.2km/リットルだから、WLTCモード燃費から1割強のダウン。ほぼ想定内といえよう。これがディーゼルの場合でも14km台が最高。

ところがつい先日乗ったアルファロメオ『ステルヴィオD』は、コンピューター上では18km近いアベレージを示した。こちらは8速ATが装備される。高速上100km/hのエンジン回転はステルヴィオが1500rpm、CX-5だとほぼ2000rpmに達する(ガソリンターボ)、この500rpmのエンジン回転差が、燃費に影響を与えているのではないかと思うのである。

今やATは多いものだと10速。主流は8速と言って差し支えない。そろそろ、マツダもトランスミッションの見直しをする時期ではないかと感じるわけである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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