シティーハンター主人公のように叩かれてしまうダンパー…IAAE 2019

IAAE 2019:テインのH.B.S.
IAAE 2019:テインのH.B.S.全 8 枚

テインのブースで人気漫画「シティーハンター」にでてきそうな「100kg」と書かれた重りを発見した。重りの上には液体の入ったシャンパングラス。下のほうにはストラットアッシーが設置されている。(IAAE 2019)

【画像全8枚】

なんだろうと思って近づくと、正体はダンパーのテスト冶具のようだ。テインのハイドロバンプストッパー(H.B.S.)の効果を見てもらおうと設置されていた。機械が自動的に重りを持ち上げ、ダンパーの上に落とす。ダンパーはほぼフルバンプ(ピストンロッドが底づきするような)状態になる。通常のサスペンションがフルバンプするような、大きなギャップ、段差、ジャンプからの着地などの衝撃を受けると、それ以上スプリングやダンパーが衝撃を吸収できなくなるので、サスペンションやボディが大きなダメージを受ける。

今回のデモ機械ならば、重りの上のシャンパングラスは倒れてしまうはずだが、H.B.S.のおかげでそうはならない。

一般的なサスペンションは、フルバンプ対策として堅いゴム製のバンプラバーという部品をアッパーマウントとロッドの間に挟んでいる。衝撃の最後の砦としてダンパーを守っているわけだが、H.B.S.は名前がしめすとおり流体のバンプラバーということだ。ゴムのバンプラバーが不要になるというわけではないが、フルバンプするような高速かつ強い力の入力時に減衰力を調整するようになっている。

モータースポーツ競技を除くと、事故レベルの状況以外、サスペンションがフルバンプするような状態はまず発生しないが、大き目のギャップや段差に間違って高めの速度で侵入してしまった場合、悪路を高い速度で走らなければならないような場合、H.B.S.は効果を発揮する。とくに大型のワンボックス、荷物や定員いっぱい乗車のミニバン、商用車などに向いており、段差の衝撃をかなり吸収してくれるという。

そのため、H.B.S.は、大型車向けの耐久性や乗り心地を重視したダンパー、ストリート向けでも大型車やSUV向けのダンパーに設定されている。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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