その名は「サメ」、ジネッタの軽量スーパーカーは940kgの車体に575馬力…ジュネーブモーターショー2019

空気を切り裂くような独特のデザインでエアロダイナミクス性能を追求

自然吸気のV8は最大出力575hp、最大トルク71.4kgm

限定20台、価格は34万ポンド。すでに12台が売約済み

ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)
ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)全 17 枚

英国のジネッタは、スイスで開幕したジュネーブモーターショー2019において、新型軽量スーパーカー、ジネッタ『アクーラ』(Ginetta Akula,)を初公開した。

ジネッタは1958年、英国に設立されたスポーツカーメーカーだ。スポーツカーを少量、ハンドメイドで生産している。またジネッタは、モータースポーツ向けとして、『G55 GT4』などのレーシングカーを生産している。G55 GT4は、これまでにおよそ400台が生産された。ジネッタによると、この400台の生産実績は、同じクラスで競合する他のどの自動車メーカーよりも多いという。

空気を切り裂くような独特のデザインでエアロダイナミクス性能を追求

そのジネッタが、スイスで開幕したジュネーブモーターショー2019において、新型軽量スーパーカーのジネッタアクーラをワールドプレミアした。車名のアクーラとは、ロシア語で「サメ」を意味している。ジネッタによると、水中を勢いよく泳ぐサメのように、空気を切り裂くようなデザインを目指したという。

ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)

アクーラは、サメのネーミングに相応しいアグレッシブなデザインをまとう。フロントのボンネットフードの中央や、ボディサイドのスカートなどに、サメをモチーフにしたデザインを採用する。ロングノース、ショートデッキのボディはフルカーボンファイバー製だ。フルカーボンファイバーのモノコックシャシーも採用。車両重量は1トンを切り、940kgに抑えられる。ジュネーブモーターショー2019のジネッタブースに展示されたアクーラ、「タイフーンブラック」と呼ばれる黒で塗装されており、迫力のルックスを実現する。

アクーラには、レースのノウハウを生かしたエアロダイナミクスパッケージを採用する。ディフューザー、効率的なボディダクト、スラッシュカットのサイドエキゾースト、大型リアウイングなどを装備する。160km/h走行時に、376kgのダウンフォースを獲得する。ジネッタのLMP3クラスのレーシングカーと同様に、アクティブエアロを使用せずに、大きなダウンフォースを得ている。

ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)

自然吸気のV8は最大出力575hp、最大トルク71.4kgm

パワートレインは、自社開発の自然吸気V型8気筒ガソリンエンジンを搭載する。小型軽量設計のV8ユニットは、最大出力は575hp、最大トルク71.4kgmを引き出す。トランスミッションは、6速シーケンシャルだ。

ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)

アクーラの前後重量配分は、フロント49%、リア51%とバランスに優れる。レース由来のサスペンションセットアップを採用。ジネッタのLMP1クラスのレーシングカーと同じく、調整可能なプッシュロッド方式のダブルウィッシュボーンサスペンションシステムを装備する。ホイールはフロントが19インチ、リアが20インチ。ジネッタのレーシングカー同様、独自のセンターロック方式を採用する。ブレーキは、カーボンセラミックで強化された。

限定20台、価格は34万ポンド。すでに12台が売約済み

ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)

インテリアには、ビレットアルミ製パドルシフト付きのLMP1風カーボンファイバー製ステアリングホイールを装備する。調整可能なフルマウントペダルボックスも採用。油圧パワーステアリングも導入する。軽量のエルゴノミックシートは、ドライバーの体格に応じて、最適なセッティングがオーダーメイドで施される。インテリアには、アルカンターラ、カーボンファイバー、ビレットアルミなどの素材が用いられる。

なお、ジネッタは2020年、アクーラを20台限定で生産する計画だ。英国本国でのベース価格は、34万ポンド(約5030万円)。ジネッタによると、限定20台のうちの60%にあたる12台に対して、発表前にオーダーが入っているという。

ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)ジネッタ・アクーラ(ジュネーブモーターショー2019)

《森脇稔》

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