トンネルで横転したトラックを起せるエアジャッキ…IAAE 2019

IAAE 2019:あかつき
IAAE 2019:あかつき全 7 枚

足場がわるかったり、事故などで普通のジャッキが使えないとき役立つのがエアジャッキだ。IAAE 2019で、各種レスキュー用品をあつかう「あかつき」のブースは、スロベニアのSavatech社の高圧エアバッグを展示していた。

【画像全7枚】

このエアバッグ(リフティングバッグ)は、たたむと55cm四方、厚さ2.5cm方形のゴム板のようになる。コンプレッサーで空気を入れると最大で17cmまで膨らむ。バッグの耐荷重は20トンまでOKだという。

膨らんだ状態で重ねることもできるので、リフト高は適宜調整できる。サイズも複数あるので、フラットタイプならば最大34cmまで持ち上げることができる。ドラム缶のように膨らむタイプは最大で2mほど持ち上げることができる。このタイプで持ち上げることができる荷重は約9トン。

市販の車載レスキューツールで、車の排ガスを利用するエアバッグもあったが、これらは車載用ではなく、レッカー業者やレスキュー隊向けの製品だ。正方形のリフティングバッグは、一般的なコンプレッサーで問題ない。大型のもの向けに専用のコンプレッサーも用意されている。

エアバッグによるリフティングが威力を発揮するのは、クレーン作業ができない、しにくい場所だ。日本の場合、都市部は建物や電線が多く、大型クレーンどころか車載のユニックさえ作業できない場所がある。またトンネル内は一般にクレーン作業はできない。トンネル内でバスやトラックが横転した場合、前述の2m級のリフティングバッグなら起すことができる。このとき、反対側にはキャッチバッグと呼ばれるクッションを設置しておく。キャッチバッグは圧力を徐々に逃がすような弁がついたエアバッグだ。

これらを使えば、トンネル内で横転した大型車両を、最小限のダメージで起すことができる。クレーンではボディーやルーフなど持ち上げる場所によっては変形などのダメージが不可避だ。

リフティングバッグには小型のものあり、商用バン、アルファードやエルグランドなどの引き起こしにも使える。

同社のブースには、けん引ロープ、作業灯、作業用メッシュベスト、防水スーツ、車両移動用の各種ドーリー、ウインチ、固定ベルトなどレスキュー用品が揃っていた。同社はもとは板金業の会社だったが、警察から事故車などのレッカー移動を頼まれるようになり、現在はレスキューサービスの他、レスキュー用品の販売も手掛けている。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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