ブレンボがドリルドローターにこだわるわけ…IAAE 2019

新発売のアウディA5用ドリルドディスクローター
新発売のアウディA5用ドリルドディスクローター全 6 枚
ブレンボのIAAE 2019における目玉は、アウディ『A5』用のドリルドローター(フロント)だ。国内では、ドリルドローターの評判はあまりよくない。しかし、同社はあえてドリルドローターを推すという。

ディスクブレーキのローターは、放熱対策として2枚重ねにしてディスクローターの間に空気の流れをつくる。さらに表面にスリットを入れて表面積を増やす加工も施す。表面積を増やす加工としては、ディンプルを掘ったり、穴を貫通させる方法もある。ディンプルや貫通穴を施したものをドリルドローターなどという。

しかし、ドリルドローターはクラックが入りやすいという欠点が指摘されている。そのため、国内市場ではドリルドローターの評判はあまりいいとはいえない。その中、ブレンボのブースは、冒頭に紹介したアウディA5用のドリルドローターの他、日産R35『GTR』、レクサス『IS-F』用についてもドリルドローターを展示している。

担当者によれば、国内でドリルドローターの評価が低いのは、R32 GTRの純正ローターにクラックが入りやすいという問題があったからだという。しかし、ドリルドローターはEUでは一般的でありクラックは大きな問題となっていない。高い放熱機能と制動力でハイパフォーマンスな領域での評価は高い。

ブレンボでは、穴の配置を工夫したり、断面を直角にしない工夫、さらに貫通穴とディンプルを混在させるといった工夫を施し、ローターの性能と耐久性を両立させているという。そのため、純正交換部品としてもあえてドリルドローターを展開している。

なお、4月ごろを目指してスバル『インプレッサWRX STI』用のドリルドローターの発売を予定しているそうだ。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アストンマーティンのベビーカー、「ハイパフォーマンスな子育てを」…eggとコラボ
  2. マツダ『CX-90』、3.3ターボSに「プレミアムスポーツ」新設定…米2026年型
  3. フェラーリ『テスタロッサ』復活、新世代電動スーパーカーは1050馬力
  4. レクサス『IS』改良新型、表情一新…2026年発売へ
  5. 【DS N°8 新型試乗】ハンドリングはもはや「賢者」、フランス車の味わいを濃縮した極上の一台…南陽一浩
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る