IDEC、国内普及率5%のプッシュイン接続方式を自動車製造ラインなどに拡充…ドイツ ワイドミュラー社と提携

IDEC 舩木俊之 代表取締役会長兼社長とワイドミュラー ホセ・カルロス・アルバレス・トバルCSMO
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新しい接続方式を採用する小さな端子が、自動車製造ラインのメンテナンス環境を変える。制御機器総合メーカー IDEC(アイデック)は、製造ラインなどの制御盤に用いられる操作スイッチや端子台などを、プッシュイン接続方式を採用した製品群に刷新し、7月から販売を始める。

プッシュインは、これまで電線類をネジで接続していた配線工程をやめ、カチッとワンタッチで取り付けられる接続方式。省工数・省スペースを実現し、耐振動性も向上。工場の微細な振動によるネジの増し締めや緩みチェックなどのメンテナンスを省略できる。

スプリング式の進化系といわれるこのプッシュイン接続方式は、2010年に入ったころからヨーロッパでまず普及した。工具を使わず、指先で差し込むだけでかんたんに配線できることから、より効率的に作業できる点が評価され、制御盤に備わる産業用操作スイッチや端子台、電源、安全リレーモジュール、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、サーキットプロテクタなどで広がっていった。

工数とサイズは、ネジ止めの半分

プッシュイン接続方式の省配線・省工数は、ネジ配線方式から約55%も短縮。省スペース性では、ねじ配線方式より約50%のスペースを削減できるという利点から、「今後も、現場の多様化や、労働人口・熟練工の減少などで、さまざまな制御機器への普及が加速していく」と、IDECはみている。

それでもEU市場でのプッシュイン接続方式の採用割合は、10%。日本国内にいたっては5%に留まり、ネジ式が82%という状況。国内市場ではまだ8割以上がねじ式を選んでいる理由として、IDECは「熟練作業者に依存している作業環境
」「省力化メリットの認識不足」「主要な日本メーカーがまだまだネジ式を採用している」などをあげている。

こうした市場背景のなかで IDEC は、工作機械や半導体製造装置、自動車製造ラインなどの制御盤機器類にこのプッシュイン接続方式に更新させることで、「現場の労働環境やメンテナンス性、チェック工程をがらっと変えていく」と意気込む。

ワイドミュラー社と提携、プッシュイン接続方式製品群を拡充

プッシュイン接続方式の産業用操作スイッチや端子台などを7月から本格的に世界展開してく IDEC は、製品ラインナップ拡充をはかるべく、ドイツの工業用端子台メーカー大手、ワイドミュラー社と戦略的パートナーシップ契約をことし3月に締結。

IDEC は7月から、ワイドミュラー社の DINレール端子台を、日本で独占販売。今回の締結で IDEC は、ワイドミュラー社の高いプッシュイン技術を活かした各種製品を共同で開発していく。

またこれにあわせて、プッシュイン接続方式プログラマブルコントローラFC6A形、プッシュイン接続方式φ22(HWシリーズ)スイッチ、プッシュイン接続方式リレー(RU形/RJ形)なども発売。10月にはプッシュイン接続方式安全リレーモジュールHS5S-C2形、11月からはプッシュイン接続方式φ22(CWシリーズ)スイッチも発売する。

同社は今後、制御盤全面のスイッチ類1万品目、制御盤内部の3000品目、制御盤端子部の5000品目を、プッシュイン接続方式に更新。プッシュイン関連製品の売上目標は、5年後に30億円と見込む。

《大野雅人》

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