トヨタの修理工場でさえ「品質」が問われる時代 … “テュフ認証”はひとつの目印

2019年4月3日から本稼働となる、大阪トヨタ直営の修理工場「ハローボディ」
2019年4月3日から本稼働となる、大阪トヨタ直営の修理工場「ハローボディ」全 8 枚
クルマが鉄の塊だったのは、過去のこと。

最近のクルマは、安全運転をサポートするASV技術(自動ブレーキやレーンキープアシスト、ふらつき警報など)が搭載され、カメラや数多くのセンサーが取り付けられた “ 走るコンピューター ” と化している。

クルマの構造や部材の多様化も目を見張るものがある。車両重量を軽くするために、アルミ合金やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用した高級車や輸入車が徐々に増え続けている昨今。世界各国の自動車メーカーがこぞって、最新技術を駆使したクルマを作り続けるのは良いのだが…。急速に進化し続けるクルマに、安心・安全な状態で永く乗り続けるための点検整備や修理技術は、追いついているのだろうか?

自動車メーカーが直営するディーラー内製修理工場なら安心だろう、契約している損害保険会社から紹介された修理工場なら大丈夫だろう…。そう信じきって、大切な愛車を預けるのは危ういのかもしれない。


◆自動車修理工場選びに役立つ「テュフ認証」

カーオーナー自らが「本当に信頼できる自動車修理工場」を見極める方法のひとつとして『テュフ認証』を紹介したい。

公平・中立的な第三者検査機関として、世界的に知られるテュフ ラインランドは、ドイツをはじめ各国で自動車修理工場の監査・認証を行っている。テュフは、自動車修理に必要な設備や技術力、社員が働く環境や法令遵守などについて厳しい基準で監査し、それらをクリアした修理工場だけが「ゴールド」や「プラチナ」といった高い水準の認証を取得できる。

世界でもトップクラスの第三者検査機関テュフ ラインランド。「テュフ認証」は信頼の裏付けといえる

テュフ認証には「ゴールド」と「プラチナ」がある。最上位のプラチナ認証を取得するには、テュフが独自に設ける厳しい検査項目をクリアしなければならない

近年、国内の自動車修理工場の間で、修理工場の品質レベルを証明する「しるし」として、テュフ認証を取得する動きが加速しており、BMW認定の修理工場やヤナセグループの鈑金塗装工場もテュフ認証を取得しているほどだ。


◆大阪トヨタ自動車直営の修理工場が「プラチナ」認証を取得!

つい最近、大阪トヨタ自動車(小西俊一代表取締役社長)が直営する、新しい修理工場「ハローボディ」(寝屋川市葛原新町)が、自動車メーカー直営ディーラー内製修理工場として初めて、テュフのプラチナ認証を取得した。

2019年4月3日から本稼働となる、大阪トヨタ直営の修理工場「ハローボディ」
大阪トヨタ自動車の小西俊一代表取締役社長(右)と、テュフ ラインランド ジャパンのシュヴァインフルター代表取締役社長(左)
同新工場は、老朽化した2つの旧工場(旧寝屋川工場・旧平野工場)を統合した5階建の大規模修理工場。2016年3月にプロジェクトが発足され、2019年3月末に竣工。本稼働は、2019年4月3日から約80人体制で月700台の修理を行う予定だが、800台から1000台の対応を目指す。

新しいクルマの修理に欠かせないエーミング作業(ASV搭載の各種センサーを調整し直す作業)を行える環境が整っており、最新の設備機器を導入。環境にやさしい水性塗料を使用するほか、AI調色システムや工程管理システムを活用し作業時間の短縮化を図る。





テュフのプラチナ認証を取得した理由について、大阪トヨタの経営管理部サービス・改善グループの担当者は「トヨタ自動車からエーミング作業の情報は入ってくるのですが、テュフの監査項目の中に学ぶべきものがあり、認証取得に取り組みました」と話していた。


トヨタ自動車が直営する修理工場も取得するほど、高く評価されているテュフ認証。大切な愛車の修理を安心して任せられる修理工場を見極めるときの「目印」のひとつとして、ぜひ覚えておいてほしい。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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