【トヨタ RAV4 試乗】CVT車を運転していることを忘れてしまうほどのリニア感…工藤貴宏

トヨタ RAV4 ハイブリッド 新型
トヨタ RAV4 ハイブリッド 新型全 12 枚

「ダイナミックフォースエンジン」と呼ぶ2.0リットルエンジン、発進用の1速ギヤを組み合わせたCVT、そして後輪左右の駆動力配分をアクティブにおこなう「ダイナミックトルクベクタリングAWD」。新型『RAV4』のパワートレインには“日本仕様のトヨタブランド初”となる新メカニズムが積極採用されている。

そもそも1車種のなかに4WDシステムが3タイプ(うち1種類はハイブリッド用で、ガソリン用は2タイプ)も用意されているのだから、つくづくパワートレインに凝っているクルマである。

CVTのウィークポイントを解消

トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)

印象に残ったのは、ガソリン車のCVTとは思えない応答性の良さ。CVTのウィークポイントはダイレクト感がないことだが、RAV4のトランスミッションはCVTながら発進用の1速ギヤを組み合わせたことでスタート時の反応がいい。

さらには変速速度や変速応答性を高めたことで発進以降の加速にもリニア感があり、CVT車を運転していることを忘れてしまうほどだ。なにより、アクセルを踏み込んだ時にまずはエンジン回転が高まり、続いて車速が上がっていくというCVTならではの加速の違和感が大幅に緩和されていたのは驚いた。

歴代RAV4ではじめてとなるハイブリッド(『カムリ』に搭載されているものと基本的に共通)もドライブフィーリングの向上に注力されたもので、従来型のTHSに比べるとリニア感が増しており、これも驚くに値する。しかし、運転しているとガソリン車のほうがより爽快に感じられたのが正直なところだ。

雪道では「ダイナミックトルクベクタリングAWD」がおすすめ

トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)トヨタ RAV4 Adventure(アドベンチャー)

ガソリン車に組み合わせる2種類の4WDシステムを乗り比べてみたところ、フラットダートでのコーナリングは(試乗時の環境では)そう大きな違いを感じられず、後輪左右の駆動力配分までおこなう「ダイナミックトルクベクタリングAWD」のほうが「ダイナミックコントロール4WD」より「やや曲がりやすいかな」という程度。

いっぽうで車体が大きく傾きタイヤが浮くようなモーグル路では、タイヤが地面から離れた際のトラクションのかかり方に大きな違いを感じられた。「ダイナミックトルクコントロール4WD」でも電子制御の効果でしっかりとトラクションがかかりスタックするようなことはなかったが、「ダイナミックトルクベクタリングAWD」のほうが接地しているタイヤへのトルク伝達がスムーズかつ素早く、すべてが滑らか。一部が凍った滑りやすい雪道での坂道発進などで、絶大な効果が期待できる。そういった路面を走るユーザーは、「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を積極的に選ぶ価値がある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
おすすめ度:★★★★

工藤貴宏|モータージャーナリスト
小学校高学年から自動車雑誌を読みはじめ、1日でも早く運転したくて18歳誕生日の翌日には仮免許を取得したクルマ好き。大学在学中から自動車雑誌でアルバイトを始め、自動車専門誌編集部在籍後、編集プロダクションを経てフリーランスライターに。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。愛車はフランス製ホットハッチと、ディーゼルエンジンを積んだSUV。

《工藤貴宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  2. トヨタ車体、『アルファード』『ヴェルファイア』をトヨタに生産移管、いなべ工場は商用車専用に
  3. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
  4. 「まさにアメリカンスポーツの最高到達点」1000馬力越えの『コルベット』にSNSも注目!コスパ最強ハイパーカー誕生か
  5. 背もたれに貼り付いた子どもたちの頭髪に…学術集会で議論された「ジュニアシートの適正使用」【岩貞るみこの人道車医】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る