【SUPER GT 開幕戦】GT300クラスは地元岡山のK-tunes RC Fが勝利…新田守男が雨中の“最多勝争い直接対決”を制す

優勝した#96 RC F。
優勝した#96 RC F。全 15 枚

14日に岡山国際サーキットで決勝レースが実施されたSUPER GT開幕戦、GT300クラスでは岡山が地元のK-tunesレーシングが走らせるレクサスRC F GT3が優勝を飾った。新田守男が雨中の“通算最多勝争い直接対決”を制している。

雨中の乱戦とも形容すべき展開になったGT300クラスの今季初戦だが、最前線では緊迫した優勝争いが展開されていた。ポール発進だった#55 ARTA NSX GT3(高木真一&福住仁嶺/タイヤはブリヂストン=BS)の高木、予選2位だった#96 K-tunes RC F GT3(新田守男&阪口晴南/BS)の新田、GT300クラスの通算優勝回数20回で最多に並んでいた者同士の直接対決である。

この戦いは12周目に#96 新田が#55 高木をパスし、自身通算21勝目となる勝利をつかんだ。新田は通算最多勝争い単独トップへとアタマひとつ抜け出している。#96 RC Fを走らせるK-tunesレーシングは岡山を基盤とするチームであり、地元勝利達成ともなった。

新田は「かなりコンディションがわるかったですね」とウォータースクリーンに覆われたウエットレースを振り返り、セーフティカー導入や赤旗中断からの再開が相次ぐ展開のなか、「集中力を切らさないことを意識して走りました」と語る。GT500優勝の伊沢拓也もそうだが、こちらでもベテランらしい落ち着きが勝利を呼び寄せることとなった(2位に敗れはしたが、#55 高木もやはり流石)。

優勝した#96 RC F。優勝した#96 RC F。

ちなみに次の富士については「僕たちは(コース適性とハンデの面で)厳しい。きっと#55 NSXが勝つと思います」と新田。そうなると、通算最多勝争いでは新田と高木がまた並ぶことに!? いずれにしてもこの両雄(にしてかつての僚友)の接戦は今後も続いていきそうだ。

#96 RC Fと#55 NSXには、「大ベテラン+シリーズ参戦は今季が初の若手」という組み合わせの面でも共通点がある。周回数が少なく決着したこの日の決勝では若手の出番は回ってこなかったが、#96 新田の僚友、阪口はデビュー戦優勝ということに。#55 高木のパートナー、福住もデビュー戦優勝こそならなかったが、前日の予選Q2ではデビュー戦ポールを飾っている。重鎮の相方を務める有望な若手両名の活躍も今季は話題になってくるだろう。

GT300クラスの表彰式。中央左が阪口、右が新田。GT300クラスの表彰式。中央左が阪口、右が新田。

(*福住は2015年のシリーズ第5戦、当時の鈴鹿1000kmでARTAのGT300チームから第3ドライバー登録されたことがあるが、当時は予選~決勝の実際の走行には参加しておらず、初めてシリーズ参戦ドライバーとして臨む今季、今回の開幕戦の予選が実質的な意味でのSUPER GTデビューだった)

開幕戦決勝のGT300クラス2位は#55 NSX。3~6位は以下の通り。昨季王者の#65 メルセデスは今季初戦を6位で終えている。

#55 NSXは決勝2位。#55 NSXは決勝2位。

3位 #52 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一&吉田広樹/BS)
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/ダンロップ=DL)
5位 #56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴&S. フェネストラズ/ヨコハマ=YH)
6位 #65 LEON PYRAMID AMG(黒澤治樹&蒲生尚弥/BS)

実質レース時間が短いなかでアクシデントが多かったGT300クラス、開幕戦は29台出走中、完走は22台にとどまっている。

#25 HOPPY 86 MCはアクシデントで早期戦線離脱。#25 HOPPY 86 MCはアクシデントで早期戦線離脱。

次は富士スピードウェイでの長距離500km戦。世界有数のロングストレートを誇る富士のコース特性は、岡山のそれとはかなり異なる。今度はどんな戦いが展開されるのか、GT300クラスの熱闘にも引き続き注視していきたい。SUPER GT第2戦は5月3~4日に開催される。

《遠藤俊幸》

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