【INDYCAR 第4戦】アレクサンダー・ロッシ、伝統のロングビーチ市街地戦で今年も完勝…琢磨は2連勝ならず8位

#27 ロッシがロングビーチ戦を制した。
#27 ロッシがロングビーチ戦を制した。全 8 枚

現地14日、インディカー・シリーズ第4戦の決勝レースが米カリフォルニア州のロングビーチ市街地コースであり、昨季シリーズ2位のアレクサンダー・ロッシが完勝で今季初優勝を飾った。ロングビーチ戦は2年連続のポール・トゥ・ウイン。前戦に続く2連勝を狙った佐藤琢磨は8位。

インディカー・シリーズといえば、アクシデント等に起因するフルコースイエローコーションが戦局を二転三転させる波乱の展開が元来の特徴だが、近年はそういった傾向がおさまりつつあり、今回のロングビーチ戦もそういった流れを象徴する一戦になった。

ポール発進のアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/エンジンはホンダ)がレースを完全に支配し、伝統の市街地戦で今季初優勝。最終的に2位を約20秒離し、85周のうち80周をトップで走行しての完勝だった。ロングビーチ戦2年連続の完勝にもなっている。

#27 アレクサンダー・ロッシのコメント
「激しいファイトになるだろうと考えていたが、チームが用意してくれたマシンが本当に素晴らしく、Andretti Autosportにとっての200勝目を飾ることができた。レースを完全に支配下に置く圧倒的なパフォーマンスで、ACURAグランプリ・オブ・ロングビーチというビッグイベントで優勝できたんだからね。記念すべき優勝に相応しい勝ち方ができ、最高の気分だ。信じられないような一日で、特別な勝利となった。この勝利は昨日亡くなった祖父、そして私たちのチームオーナーのマイケル・アンドレッティに捧げたい」

昨季は最終戦までタイトルを争いながらシリーズ2位に終わったロッシ。初タイトル獲得に向けて、ここから彼の再挑戦が本格化しそうだ。

決勝2位はジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske/シボレー)。2年ぶりの王座を目指すニューガーデンはこれで開幕4戦を優勝~2位~4位~2位とし、高次元での安定感を発揮中だ。シリーズランキングは目下トップ。2番手ロッシを28ポイント離し、ニューガーデンが現段階ではアタマ半分ほど抜け出た印象だ。

決勝3位は前年王者のスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)。ディクソンは、佐藤琢磨の僚友であるグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)を抜けず4番手でゴールしたが、レイホールがブロッキングのペナルティを受け、3位ディクソン、4位レイホールと順位が入れかわることとなった。5位はライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)、6位シモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)、7位ウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)。

佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は予選8位、決勝も7~8番手でのレース運びとなり、最終結果も8位だった。2013年に自身初優勝を決めた地で、自身初の2連勝達成に期待がかかったが、残念ながらそれは達成できなかった。

#30 佐藤琢磨のコメント
「厳しいレースでした。8番グリッドからスタートし、最初の2スティントではシモン・パジェノーとのバトルになりました。2回目のピットタイミングをずらすことで彼の前に出ることにトライしたのですが、逆にウィル・パワーに先行を許すことになってしまいました」

「今日のレースはフルコースコーションがスタート直後しかなく(展開の利を狙えなかったため)、自分としてはとにかく全力で走り続け、マシンのバランスを向上させるよう奮闘しました。最後のスティントではハードタイヤを選ばざるを得ませんでしたね。ソフトタイヤの方が速いことは分かっていましたが、今回はソフトタイヤでのマシンバランスがあまりうまくいっていなかったためです」

「このレースの後、我々はインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースとオーバルコースでテストを行ないます。これから訪れる5月は毎年、インディカーにとって本当にエキサイティングなものになります。今シーズンここまでのいい勢いを持ち込み、いいテストを行ない、それがいい結果につながっていくことを期待しています」

今回のレースもピットタイミングで1周だけとはいえリードラップを記録しており、厳しい展開ではあったものの、決してトップが遠くにも見えないような内容ではなかった琢磨。そしてこのあとインディカー・シリーズは少し実戦間隔が空くが、琢磨も言うように聖地インディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)を舞台とする特別な季節に突入する。

次の実戦は現地5月11日決勝の“インディカーGP”、IMSのロードコースを使ったレースがシリーズ第5戦となる。そのあとは“最大舞台”であるIMSのオーバルでの第103回インディ500(今季第6戦、決勝5月26日)へと戦いが続いてゆく。引き続き琢磨の健闘を期待したい。

《遠藤俊幸》

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