新型パジェロ?市販の可能性も? 三菱の3列シートPHEVコンセプトが進化…上海モーターショー2019

MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019
MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019全 36 枚

三菱自動車は4月16日に開幕した上海モーターショー2019で、3列シートPHEVのコンセプト『MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(イーイーコンセプト)』を発表した。3月のジュネーブモーターショーで初公開となった『エンゲルベルクツアラー』の進化版としての位置付けで、外装の一部やADAS機能がアップデートされているという。

e-Yi CONCEPTは、ツインモーター4WDのPHEVで、三菱自動車のブランド・メッセージ“Drive your Ambition”を具現化。EV航続距離は70km以上、総航続距離は700km以上を想定し、どんな気象、どんな路面でも走破できる先進オールラウンドクロスオーバーSUVとしている。

デザインは、三菱の「顔」となりつつある「ダイナミックシールド」の進化版を採用。左右から中央に向かって包み込むバンパーのプロテクト形状とフロントグリル部を水平・垂直基調のスクエアなラインで構成、車格感のあるデザインとした。メッキ部は給電時にブルーに点灯し、PHEVらしさをアピール。

MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019
全体的に筋肉質な造形で力強く、かつ金属を削り出したようなシャープな面も持ち合わせる。「サテンダークグレー」のボディカラーはSUVらしい逞しさや上質感を表現した。オールラウンドクロスオーバーSUVらしい装備として、フォグランプを内臓したルーフボックスが備わる。自動開閉が可能で、ショーモデルの内部には折りたたみ式の自転車が造形されていた。

インテリアは白を基調とした清潔感、洗練さがあふれるデザインが特徴。インパネは、三菱のこだわりである視認性の良さをデザインにも取り入れた「ホリゾンタルアクシス」と名付けた水平基調を採用。良好な前方視界と開放感を確保する。12.3インチの大型液晶メーターには速度、回転数、エネルギーフローなどのほか、「Mitsubishi Connect」との連携によるナビゲーション情報などを表示する。

MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019
パワートレインは2.4リットルのPHEV専用ガソリンエンジンに、フロントとリアのツインモーターを組み合わせたフルタイム4WDとした。『ランサーエボリューション』仕込みのAYCをはじめとした車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載する。

進化したADAS(先進運転支援技術)は、自動車専用道路での同一車線において、クルマ側がアクセルやブレーキに加えて、ハンドルを自動操作することにより、ドライバーをアシスト。またコネクテッドカーシステムは、スマートフォンであらかじめ目的地や経由地などを設定しておき、乗車時にナビゲーションと連携させることでスムーズな出発が可能となるほか、ルート上の天候や道路状況などに応じて最適な走行モードを選択、バッテリーマネジメントまでおこなうことを想定している。

MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019MITSUBISHI e-Yi CONCEPT(三菱 イーイーコンセプト)上海モーターショー2019
ジュネーブモーターショーで公開されたエンゲルベルクツアラーとの違いは、外装色やホイールデザインなど。あえて車名やデザインを変更したねらいについて三菱は、「コンセプトモデルであっても、その地域やニーズに応えていくというのは市販車と同じ。三菱としては新しい提案の仕方」と説明する。

フルサイズのオールラウンドクロスオーバーSUVといえば、三菱にはこのジャンルの代表格『パジェロ』がある。現行モデルはすでに13年を迎えるだけに、新型の登場にも期待がかかる。三菱はこのe-Yi CONCEPTがそれであるとの明確な回答は避けたが、「いわゆるビジョンだけのコンセプト、というつもりではない。市販化も視野に入れたコンセプトだ」と話した。

《宮崎壮人》

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