【BMW 3シリーズ 新型試乗】ついに1800mmを超えた3シリーズは日本に定着するか?…諸星陽一

「日本サイズ」ではなくなったが

R34 GT-Rよりも太いトルク

リバースアシストがサイズ拡大をカバーするか

BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)
BMW 3シリーズ 新型(330i Mスポーツ)全 8 枚

「日本サイズ」ではなくなったが

BM『3シリーズ』はコンパクトな2ドアセダンであった02シリーズの後継モデルとして登場、初代は2ドアのみの設定であったが、徐々にバリエーションを拡大。現在は3シリーズと『4シリーズ』の2車種にまたがるまでになった。

先代となる6代目は日本での販売を考慮し、ドアハンドルを変更して全幅が1800mmに収まるようにするなどしたが、新型は欧州モデルと同様の仕様としている。このため、全幅は1825mmとなった。全長は4715mm、全高は1430mm。

現状、日本に導入されるモデルは直4・2リットルを積む320iと330iの2種。セッティングの違いで320iは184ps/300Nm、330は258ps/400Nmというスペックが与えられている。このセッティングの320iは日本の事情に合わせたモデルで、欧州には存在しない。

R34 GT-Rよりも太いトルク

試乗車は「330i Mスポーツ」で、装備面ではかなりスポーティなものとなっている。ドライバーズシートに乗り込むと、見慣れたBMWらしい景色が広がるが、Mスポーツということもありステアリングはかなり太めのものが採用されている。エンジンを始動し走り出すと分厚いトルクによってグイッと前に押し出される。400Nmといえば『R34スカイラインGT-R』よりも高いトルク値。その力強さは推して知るべしだ。

加速の力強さは十分なものだが、そのスムーズさも好印象。ミッションのつながりはギヤ比はもちろん、変速スピードも素晴らしい。ビシッ、ビシッ、っと力強くシフトアップしていく様子はスポーツセダンらしい雰囲気にあふれている。

ハンドリングも軽快でワインディングを気持ちよく走ることができる。330iの標準タイヤは18インチなのだが、試乗車はオプションの19インチタイヤが装着されいてた。フロントは225/40R19、リヤは255/35R19となる。この薄いタイヤ、しかもランフラットでありながらしっかり乗り心地を確保しているのには感心させられる。走行モードが選べることもあり、コンフォートにすればランフラットのネガな部分をかなり低減できる。

リバースアシストがサイズ拡大をカバーするか

330iに新装備された機構で注目なのが「リバースアシスト」と言われる機能。これは50m分の走行状態を記憶してステアリング操作不要で戻れるというもの。駐車場や袋小路などで奥まった場所まで入ってしまった場合、「リバースアシスト」を使うことで比較的安全に50mまで戻ることができる。

「リバースアシスト」は全幅が25mm広くなった分のリカバリーになる可能性は大きい。しかし、マンションの駐車場制限などで1800mm規制がある場合には駐車できなくなってしまった。その影響が販売にどれくらい現れるか? 今後の販売台数推移を見守りたい。

オススメ度は3と4で迷ったが、今回は3としておく。このセグメントで価格的に600万円は迷う部分である。320iに期待したい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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