【BMW 8シリーズクーペ 新型試乗】ワインディングでも抜群の安定性と高級感を感じさせる…九島辰也

BMW 8シリーズ 新型
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「BMW M850i xDrive」のステアリングを握るのはこれで2度目。1度目はポルトガルのリスボンで行われた国際試乗会だった。

その時はエストリルサーキットでの走行もありかなり衝撃を受けたのを覚えている。新生『8シリーズ』はラグジュアリーでありレーシーなのだと。

エクステリアは、BMWらしい“2枚目”

あれから半年。日本でも早く乗りたいと思っていたので今回は楽しみにしていた。ただ、用意されたのは箱根ターンパイクという特殊なステージ。高速コーナーの連続でしっぽりとラグジュアリーに8シリーズを楽しむというものではなかったのは事実だ。

では実際に乗った印象をご報告しよう。海外、しかもサーキットといった心臓が高鳴る場面ではないところでの8シリーズはとても上品に見えた。

新世代BMWのルールに則ってキドニーグリルは大きめだが、アメリカで見た新型『X7』やマイナーチェンジの『7シリーズ』とは違いそこに目が奪われることはない。それよりもシュッとしたシルエットにBMWらしい“2枚目”さを感じる。インテリアもそう。けっして派手ではなく、BMWらしさを残しながら最新のデバイスを使いやすく並べたといった印象だ。

4.4リットルV8ターボは底知れず

動き出しはいたってラグジュアリー。静粛性は高くスッと出る感じが高級車らしさをドライバーに伝える。が、アクセルを踏み始めるとエキゾーストから猛獣が喉を鳴らすような音がして、ドーンと加速する。2000回転後半からそうで、4000回転あたりでは外の景色が猛スピードで流れ出す。530psを絞り出す4.4リットルV8ターボは底知れずといったところだ。

ただ、それでも車体は安定していてキャビンは高級感を保つ。コーナリングGフォースの立ち上がりこそカラダを持っていかれるが、そのあとの足さばきはスムーズで安定感は抜群。そこからリアタイヤの粘り腰を感じさせるがまだまだ余裕だ。サーキットでの懐の深さを知っているだけに、安心したステアリングさばきを楽しめる。

また、その時のステアリングフィールはさすがで、切り出しから手のひらに伝わる操舵感は気持ちがいい。リニアに重くなるパワステのセッティングに一日の長を感じた。個人的にはもう少しステアリンググリップが細い方が好みだが、この辺はトレンドでもある。太い方が人気なのだろうが、新型『3シリーズ』を試乗した時もそこだけは惜しく思えた。

気持ちいいのはギアチェンジのプログラミングもそう。パドルを使わずATモードのままで「ここ!」という加減速のタイミングでうまくシフトチェンジしてくれる。コーナー手前での2段階シフトダウンと歯切れのいいブリッピングは格別だ。音だけに集中しているとかなり運転の上手い人に思われるに違いない。

車両のサイズを感じさせない機敏な走り

場所が場所だけに、今回も比較的スポーティな走りに終始してしまった。が、その仕上がりは相当なもの。連続するコーナーをいくつも駆けているとクルマはどんどん小さく感じられてくる。ふた回りくらいコンパクトな2シータークーペのようだ。

ということで、箱根ターンパイクを上ったり下ったりしたが、次回はぜひゆったりと湘南あたりの海岸線をドライブしてみたいと思った。せっかくの8シリーズ復活ですからね、ラグジュリーなテイストも存分に味わいたいモンです。

九島辰也氏

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

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