クラリオンがフォルシア傘下として初出展、HMIを中心とした新技術…上海モーターショー2019

上海モーターショーに出展したフォルシア
上海モーターショーに出展したフォルシア全 11 枚

今年4月、フランスの大手サプライヤー「フォルシア」の新事業部として傘下に入ったクラリオンが、同月16日から開催された上海モーターショー2019へ同事業部として初めて出展。クラリオンが開発を進めてきた次世代のHMI技術を関係者向けに披露した。

フォルシアは 現在、37カ国に約300カ所の工場、46カ所の研究開発センター、12万2000人の従業員を擁し、2018年の同グループの売上は175億ユーロ。自動車部品のサプライヤーとしては世界トップ10に入る大手サプライヤーである。フォルシアの得意分野はシートをメインとしてインテリア、自動車用電子機器、クリーンモビリティの4つの事業分野で、この分野ではほとんどがナンバーワンの位置にあるという。

フォルシアのCEOであるパトリック・コラー氏は4月17日、上海モーターショーで開催したプレスカンファレンスに登壇。同社が中国へ進出した経緯から説明を始めた。それによると、中国への進出したのは1992年のことで、武漢に合弁工場を設立したのが最初だという。

その後、2002年に上海駐在事務所を開設した後、05年にはFaurecia(Shanghai)Management Co. Ltd.を設立し、中国の自動車産業と共に発展を遂げてきた。今では70の工場と4つのR&Dセンターを抱え、従業員数は中国国内で約2万人、その1割がエンジニア。4つの事業すべてを中国国内で展開しており、その意味でも中国はフォルシアにとって製品開発の重要拠点となっていることを強調した。

今年4月に正式に第4事業部として傘下に入ったクラリオンは既に開発拠点を中国に移しており、今後の「CASE(コネクテッド、自動運転、ライドシェア、電動化)」を進める上で極めて重要な位置付けになっているとも説明。中でも、クラリオンが持つセンサー技術や乗員モニタリングの技術は、フォルシアが進めるサステイナブル・モビリティとコックピット・オブ・ザ・フューチャーをつなぐ中心の技術ともなり、インターフェイスの柱になってくとした。

そのクラリオンが出展したのは、主としてコックピット上で展開するHMIの技術。クラリオンは昨年9型大画面のカーナビとして「NXV987D」を発表し、クワッド・ビューと呼ばれる独自のインターフェイスで大きな注目を浴びたが、この技術をベースに次世代のHMIシステムを開発していたのだ。残念ながら非公開の技術としていたため、ここで詳細を紹介することは出来ないが、早ければ2021年にもOEMでその姿を見られる可能性があるという。

既に採用が決まっている技術として披露されていたのは、ブラックパネル内にモニターが浮かび上がるディスプレイシステムだ。電源がOFF状態ではほぼブラックパネルにしか見えないが、イグニッションをONにすると同時にモニターが映し出される。中国ではこうした映像の映し出し方にもひと工夫したものが好まれるということで、クラリオンはこうしたシステムにも力を入れていくという。

クラリオンが得意とする車載カメラの新技術も出展されていた。すでに世の中では電子ミラーの採用が相次いでいるが、クラリオンではより高解像度なフルHDクラスでフリッカーをほとんど感じさせない一歩進んだ技術を開発。まだ採用は決まっていないとのことだが、既に展開されている電子ミラーを上回る表示能力でその優位性を訴えていきたいとした。

《会田肇》

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