基礎的な知識が学べる…4WD車の研究

『入門講座 4WD車の研究』
『入門講座 4WD車の研究』全 1 枚

『入門講座 4WD車の研究』
著者:庄野欣司
発行:グランプリ出版
定価:本体価格1800円(消費税除き)
発売日:2019年5月10日
ISBN978-4-87687-364-7

SUV市場が拡大している中、4WDの基本的なメカニズムや走行特性について技術的な側面を中心に解説した1冊が刊行された。

本書は1993年に同社から刊行された“入門講座 4WD車の研究”の復刻版だ。従って最新の電子制御4WDシステム等に関する記載はない。しかし、4WDの基礎理論とその構造や特性といった普遍的な要素は網羅されている。出版社は、「こういった要素は近年の潮流である自動運転などの技術につながるものと考えている」とし、「本書のように四輪駆動の基礎から解説した内容の本は類書も少なく、自動車技術を学ぶ現代の学生や若い技術者、さらに自動車技術に関心を持つすべての方々に技術理解のために入門書としてぜひ読んでもらいたい」と復刊理由を語る。

実際に中身を読んでみると、そのシステムの基礎から、進化、タイトコーナーブレーキング現象などの固有の問題点などから、パートタイム、フルタイム4WDのバリエーションなど、事細かに解説されている。また、その歴史ではブガッティ『T53』やチシタリアポルシェ『T360』、ロータス『R63』などのサーキットでの4WD車がうまくその性能を発揮できなかったのに対し、ラリー車では大成功を収めていることなどがまとめられていることも興味深い。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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