日産新体制---西川社長は続投、取締役会議長候補の榊原氏はNG[新聞ウォッチ]

決算を発表する西川社長(5月15日)
決算を発表する西川社長(5月15日)全 5 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。…………

ひとくちコメント

20年にわたって経営トップに君臨してきたカルロス・ゴーン前会長の逮捕・起訴による一連の事件からまもなく半年になる日産自動車。6月下旬の定時株主総会に諮る新たな経営体制の骨格が固まったという。

きょうの各紙が報じているが、筆頭株主の仏ルノーからは4月に日産の取締役に就いたジャンドミニク・スナール会長とともに、ティエリー・ボロレCEO(最高経営責任者)も取締役に迎え、ルノーの現役首脳2人が経営陣に加わる。

また、続投に意欲を示す西川廣人社長兼CEOは引き続き残り、5月16日付でCOO(最高執行責任者)に就いた山内康裕氏も新たに取締役となる。山内COOは「責任感が強く、人の話に真摯かつ丁寧に耳を傾けて、面倒見も良い」などと、社内での評判も高い。傷ついた経営の立て直しに”ツートップ”で取り組む方針とみられる。

一方で、社外取締役は3人から6人に増やし、ガバナンス(企業統治)の改善・強化を図るため、外部の目による経営監視を強めるという。経済産業省出身で日本エネルギー経済研究所理事長の豊田正和氏と、レーサーの井原慶子氏は続投するが、取締役会議長の有力候補に浮上していた榊原定征・前経団連会長については就任を見送る模様だ。出身母体の東レや財界関係者などでも懐疑的な見方をする人も多いことから「適任ではない」と判断を下したようだ。

いずれにせよ、西川社長の続投については、側近の一人としてゴーン前会長の不正を見逃してきた経営責任を問う声もあり、長期政権は考えられないだろう。すでに、社内では事業の立て直しを担うポストとして新設された「パフォーマンスリカバリー」を専任する生産技術担当の関潤専務を軸に「ポスト西川」の動きが始まっているという。新たな権力抗争の火種にならかければいいのだが……。日産自動車グローバル本社(横浜市)日産自動車グローバル本社(横浜市)

2019年5月17日付

●立て直しへ西川氏続投、日産取締役案、ルノーからは2氏(読売・2面)

●中国景気の減速直撃、車・金属=暗、通信=明(読売・3面)

●急減速する中国自動車市場、メーカー乱立、淘汰加速へ(読売・6面)

●日本車対米輸出制限の恐れ、高関税延期と引き換え米報道(朝日・3面)

日産自動車プロパイロット2.0説明会(横浜市、グローバル本社)日産自動車プロパイロット2.0説明会(横浜市、グローバル本社)●高速道で手放し運転日産実装へ、スカイラインで国内初、前方注視必要、ナビ連動で車線変更(朝日・6面)

●新たな電力源EVに熱視線(毎日・16面)

●東京駅・バスタあふれる利用客、低料金・路線網需要高まる高速バス(産経・23面)

●トヨタ自動運転技術供給、世界の配車大手向け検討(東京・7面)

●日産社長不起訴、東京地検、前会長の報酬不記載(東京・24面)

●ダイフク、無人物流を制す、トヨタ・ユニクロが頼る(日経・13面)

《福田俊之》

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