北海道新幹線の高速化支援はJR北海道の経営改善の成果を見て 5月17日の石井国交相会見

JR北海道の島田修社長は、2021年度以降に発生する北海道新幹線高速化工事の費用について国の支援を要請。整備新幹線の貸付料の控除についても期待感を示したという。写真は運行最終日の3月31日に石勝線夕張支線夕張駅で挨拶をする島田社長。
JR北海道の島田修社長は、2021年度以降に発生する北海道新幹線高速化工事の費用について国の支援を要請。整備新幹線の貸付料の控除についても期待感を示したという。写真は運行最終日の3月31日に石勝線夕張支線夕張駅で挨拶をする島田社長。全 2 枚

石井啓一国土交通大臣は5月17日に開催された会見で、北海道新幹線の高速化要請に関する見解を明らかにした。

JR北海道は、5月13日に建設中の新函館北斗~札幌間が最高320km/hで走行可能になるよう、120億円を自社負担して防音壁の嵩上げや緩衝工の延長といった工事を含む高速化を国土交通省に要請している。同区間は整備新幹線区間のため、建設工事自体は国の公共事業として行なわれている。

この高速化についてJR北海道の島田修社長は「国土交通省に助成あるいは無利子貸付の支援を求める」と述べていたが、高速化に要する工事費は2021年度から発生する見込みで、「国鉄清算事業団債務等処理法」の規定に基づいて2020年度まで行なわれるJR北海道への支援の対象からは、現時点では外れてしまう。

これについて石井大臣は「JR北海道が2019年度及び2020年度の2カ年間で経営改善に資する成果を上げることを前提に、所要の法律案を国会に提出することを検討することとしております」と述べるに留め、高速化への支援については、その方針の範囲内で検討していくことになるとした。

新函館北斗~札幌間の高速化工事では、列車のトンネル突入時に発生する微気圧波を低減させる緩衝工と防音壁の嵩上げが行なわれる見込みとなっている。新函館北斗~札幌間の高速化工事では、列車のトンネル突入時に発生する微気圧波を低減させる緩衝工と防音壁の嵩上げが行なわれる見込みとなっている。

高速化工事への支援については、島田社長が整備新幹線の貸付料を控除する期待を示していたが、石井大臣は「現段階でこれからの課題」とした。JR東日本も盛岡~新青森間で高速化工事を行なう意向を示していることから、貸付料についてはJR北海道と共通の制度設計にするのかどうかなどを含めて「今後必要な対応を検討してまいりたいと考えております」と述べた。

整備新幹線の建設では、事業費の上昇により、財務省財政制度審議会の歳出改革部会が運行主体のJRに対して貸付料の負担増を求める提言がなされており、それとの関連で、東北・北海道新幹線の高速化工事の行方が注目される。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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