三菱自・新CEOの加藤氏も「スモールバットビューティフル」路線を継承[新聞ウォッチ]

三菱自動車の益子現CEOと加藤新CEO
三菱自動車の益子現CEOと加藤新CEO全 2 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

令和の新時代を迎えてから20日余。三菱自動車が新しい「カタチ」の経営体制の見直しに踏み出した。経営の監督と執行を明確に分離する「指名委員会等設置会社」に移行するもので、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善・強化を図る狙いがある。

6月21日開催予定の定時株主総会後に最高経営責任者(CEO)を退いて会長職に専念する益子修氏と、後任のCEOに就任するインドネシア子会社MMKI社長の加藤隆雄氏が5月20日午後2時半から、東京・港区の三菱自動車本社が入るビル内で記者会見を行った。

きょうの毎日を除く各紙にも、記者会見の記事を取り上げているが、社長職を設けないままのCEO交代会見であり、何となくミルクを入れないコーヒーのように、すっきりしないタイトルが目に付く。

このうち読売は「三菱自、監督と執行を分離、新体制へ、益子氏アライアンス専念」。朝日は「『益子路線』継承明言」「三菱自・加藤氏新旧トップ会見」。また、産経は「企業連合益子氏が担当」とし、コラムの「登板」には新CEOの加藤氏の「海外工場始動でリーダー経験」などというプロフィールを伝えている。

さらに東京も「3社連合退任後も『責任』」とのタイトルで「CEO退任後も事実上のトップの立場で変わりなさそうだ」と指摘。日経も同様に「日仏連合強化に専念」が見出しである。

それでも、新CEOに就任する加藤氏の抱負や経歴のエピソードの質問も多く、加藤氏は「大変驚いている。身の引き締まる思いだ」と述べて、緊張した面持ちで「益子路線」を踏襲し「スモールバットビューティフル(小さくとも美しい)などの企業として成長させる」と語った。

一方で益子氏は後任選びには「(生え抜きかどうかは)関係なく、昨年秋ごろから広くリストアップしていた」ことを明かした。1962年生まれの加藤氏は京大工学部卒業後、三菱自動車に入社。駆け出し時代には当時の米クライスラーとのイリノイ州の合弁工場の立ち上げから、ロシアで、仏プジョー・シトロエン・グルーブとの合弁工場、さらに、名古屋製作所副所長などを経て、2015年からはインドネシアとの合弁工場の社長に就任。

益子氏は「海外経験が豊富」なキャリアとともに、自身よりも13歳下という「若返り」と「誠実さ」の人柄も決め手となったという。加藤氏が名実ともに若い世代にふさわしいスリーダイヤのリーダーに成長していくかどうかはこれからの益子会長の存在感が影響してくるだろう。三菱自動車の益子現CEOと加藤新CEO三菱自動車の益子現CEOと加藤新CEO

2019年5月21日付

●三菱自、監督・執行を分離、新体制へ、益子氏アライアンス専念(読売・7面)

●消費増税の悪影響、景気に「不安」75%、本社世論調査(朝日・1面)

●日産、新形態へ来月25日総会(朝日・7面)

●GDP2.1%増実体伴わず、1~3月期年率、輸入減で上振れ(産経・1面)

●フォード7000人減計画、米報道、北米、欧州、中国など対象(東京・7面)

●EV使う電力網、ホンダ・GM連携、ブロックチェーン活用(日経・1面)

●日産、社外取に重い責任、人事・報酬に権限、会長職廃止(日経・2面)

●タタ自動車、巨額赤字、英子会社、ジャガー売却観測、前期最終(日経・11面)

●配送にEVヤマトの機略(日経・13面)

●愛三工業の筆頭株主に、デンソ―エンジン部品効率開発(日経・14面)

●川重、事業選別を先送り(日経・14面)

●自動車株に売り圧力、追加関税延期も警戒感(日経・19面)

《福田俊之》

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