[カーオーディオ“チョイスのキモ”]スピーカー その3…サウンドステージを上げる

セパレートスピーカーの一例(DLS・M6.2)。
セパレートスピーカーの一例(DLS・M6.2)。全 1 枚

「ドライブには音楽が欠かせない!」というドライバーの方々に向けて、その音楽をより良い音で聴くための道具であるカーオーディオユニットの、“チョイスのキモ”を解説している。まずはスピーカーにスポットを当て、「タイプ解説」から行っている。

さて、前回の記事の中で、「セパレートタイプ」は「フルレンジタイプ」と比べて「サウンドステージを上げやすいこと」が利点であり、このことが重んじられて「セパレートタイプ」の方が選ばれることが多くなっている、と説明した。

今回は、そのことの補足をしておこうと思う。まず、「セパレートタイプ」が「サウンドステージを上げやすい」理由から解説していく。

理由は以下のとおりだ。音は、音程が高くなるほど(周波数が高くなるほど)、真っ直ぐに進もうとする性質が強くなる。そして真っ直ぐに進もうとする性質が強い音ほど、出どころが分かりやすくなる。

なので、クルマに装着されているスピーカーが「セパレートタイプ」だった場合、ツイーターから発せられる音の方が出どころがわかりやすく、ミッドウーファーから発せられる音の方は、それに比べると出どころがわかりにくい。

そして、ツイーターの音とミッドウーファーの音とが上手く繋がると、低い音は出どころが分かりにくいゆえに高い音に引っ張り上げられ、音楽全体がツイーターから鳴っているかのような錯覚が引き起こされる。なのでツイーターを高い位置に設置すると、音楽全体が目の前から聴こえてくるようになる、というわけなのだ。

ちなみに、ドアに「フルレンジタイプ」のスピーカーを取り付けても、サウンドステージを目の前に展開させることは不可能ではない。ただし、難易度は低くない。ツイーターを高い位置に付けた方がサウンドステージを上げやすいことも、また確かなのだ。

なので、もしも純正スピーカーが「セパレートタイプ」であった場合には、交換するスピーカーにも「セパレートタイプ」を選んだ方が無難だ。現状、音が高い位置から聴こえているのに、「フルレンジタイプ」をチョイスすることで、そうではなくなるリスクも抱えてしまうからだ。

今回はここまでとさせていただく。次回からは「取り付け性」をテーマに話を進めていく。お楽しみに。

「サウンドユニット」の“チョイスのキモ”を徹底解析! Part1・スピーカー編 その3「タイプ解説 lll」

《太田祥三》

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