内閣府調査「80歳以上26%が運転」、だから何ですか?[新聞ウォッチ]

内閣府調査「80歳以上26%が運転」、だから何ですか?[新聞ウォッチ]
内閣府調査「80歳以上26%が運転」、だから何ですか?[新聞ウォッチ]全 2 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

この見出しをみて「だから何ですか?」と思った高齢者らも少なくないだろう。内閣府が60歳以上を対象に実施した調査で、回答した80歳以上の4人に1人が車を運転しているとの結果が出たという。6月4日付の毎日や日経などの夕刊で「80歳以上26%が運転」とのタイトルで社会面などに取り上げていた。

そのサブタイトルには「小規模自治体ほど多く」と付記されており、記事では「高齢者が運転する車の事故が社会問題になるなか、当事者には車が日常的な交通手段になっている実情が改めて浮き彫りになった」。そして「6月に閣議決定される今年の高齢社会白書に盛り込まれる」とも。

内閣府の調査結果を詳しくみると、2018年11~12月、高齢者の生活環境などに関する調査を実施。60歳以上の男女1870人から回答を得たそうだ。それによると、外出時の交通手段(複数回答)は、「自分で運転する自動車」が56.6%で最も多く、「徒歩」が次に多く56.4%、そして「自転車」が22.4%などだったという。

さらに、外出時に自分で車を運転する人は、70代後半で45.7%、80歳以上で26.4%もいたという。地域別では、東京23区や政令指定都市の50.0%に対し、人口10万人未満の市は72.9%、町村は75.5%だったという。高齢者の運転する機会は小規模の市町村ほど多く、電車やバスといった公共交通機関が限られ、車は買い物や通院などに欠かせない「生活の足」となっていることが裏付けられたとも指摘している。

今後の運転については「一定の年齢でやめようと思っている」が40.4%で最多だったが、「年齢や身体的な支障の有無にかかわらず続けようと思っている」と答えた人も11.5%もいたという。

その社会問題になっている高齢者運転について、きょうの各紙にもその関係する話題が多く報じられている。社会面では「福岡市で高齢男性が運転する車が交差点に猛スピードで突入。高齢男性と同乗の女性の二人が出血性ショックで死亡した」との痛ましい記事。

東京の「暮らし」面には専門家が「車の高齢者踏み間違え事故、股関節・筋力の衰え一因」との指摘する記事を掲載。さらに、産経など各紙の都内版には「高齢ドライバー事故、踏み間違い防止へ補助金、都、装置取り付けを促進」として、東京都の小池百合子都知事がアクセルとブレーキの踏み間違い装置を取り付けるための補助金や自主返納の特典を増やすことなどを検討していると伝えている。

取り付ける装置の費用は約20万円だそうで、補助する金額や開始時期は未定だそうだが、防止効果が大きいとされるその装置は高齢ドライバーが少ない東京よりも「生活の足」になっている地方を優先するべきであり、さらに、エアバッグのように年齢に関係なく市販車に義務付けることも必要ではないだろうか。

2019年6月5日付

●社説・水素エネルギー「脱炭素」の切り札となるか(読売・3面)

●米「予防的利下げ」観測、市場に7月待望論、貿易摩擦の悪化懸念(読売・9面)

●FCAとの統合案協議、ルノーが取締役会(読売・9面)

●車の事故防ぐため、安全機能メーカー加速、踏み間違い防止、衝突影響軽く(朝日・6面)

●主張、新交通システム、安全確保に「自動」はない(産経・2面)

●大阪万博に「空飛ぶタクシー」ウーバー構想会場―空港間(産経・9面)

●高齢ドライバー事故、踏み間違い防止へ補助金、都、装置取り付けを促進(産経・21面)

●高齢者の車、交差点突入、5台衝突、運転男性ら2人死亡、福岡(東京・25面)

●プロレスラーの青木さん首都高で事故死(産経・25面)

●車の高齢者踏み間違え事故、股関節・筋力の衰え一因(東京・20面)

●円上昇、一時107円台、5か月ぶり、米金利低下で円高圧力(日経・3面)

●19年上期ヒット商品番付、消費・決済に新時代(日経・3面)

《福田俊之》

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