『サウンド調整術入門』クロスオーバー…ツイーターとミッドウーファーの間 その4

“ロックフォード・フォズゲート”のチューニングアプリでの、ミッドウーファーの“ローパスフィルター”の設定画面。
“ロックフォード・フォズゲート”のチューニングアプリでの、ミッドウーファーの“ローパスフィルター”の設定画面。全 2 枚

カーオーディオを趣味とするとき、サウンドチューニングにも興味を持つと楽しみの幅が一層広がる。そのガイドとなる情報を網羅しようと当連載をお贈りしている。現在は「クロスオーバー」に関する解説をお届けしている。

今回は、「ツイーターとミッドウーファー間の“クロスポイント”設定における応用ワザを紹介する。

最初に、“クロスポイント”という言葉の意味をおさらいしておこう。“クロスポイント”とは、「クロスオーバー調整」を行う際の、“帯域分割の境目”を指す言葉だ。なので例えば、「ツイーターとミッドウーファー間の“クロスポイント”は4kHzに設定した」と言ったときには、ツイーターの“ハイパス(ローカット)”の“カットオフ周波数”も、ミッドウーファーの“ローパス(ハイカット)”の“カットオフ周波数”も、同じく4kHzに設定されていることとなる。

つまり、“クロスポイント”の値とツイーターとミッドウーファーそれぞれの“カットオフ周波数”の値は、すべてが同一となるのが基本形、なのだが…。

“ロックフォード・フォズゲート”のチューニングアプリでの、ツイーターの“ハイパスフィルター”の設定画面。“ロックフォード・フォズゲート”のチューニングアプリでの、ツイーターの“ハイパスフィルター”の設定画面。

しかし、“カットオフ周波数”を追い越すように設定したり、逆に、引き離すように設定するのもアリだ。

例えば、ミニバンのような車格の大きなクルマの場合、ツイーターとミッドウーファーの位置が大きく離れることとなるので、この場合には得てして“クロスポイント”付近の音が“中ヌケ”したりする。そんなときには例えば、ツイーターの“カットオフ周波数”は4kHzのままとしつつもミッドウーファーの“カットオフ周波数”を4.5kHzに設定してみると、中ヌケ現象を緩和できたりする。

逆のケースも有り得る。“クロスポイント”付近の音が厚くなり過ぎたとき、それを解消すべく“スロープ”を急峻にしたとする。しかしそうすると今度は“位相”が上手く合わなくなった…。そんなときには“カットオフ周波数”を離す方向で設定してみるとすべてが上手くいったりする。

例えば、ツイーター側の“カットオフ周波数”は4kHzのままにしておき、ミッドウーファー側の“カットオフ周波数”を3.5kHzにしてみる。このようにすることで帯域バランスも繋がりもナチュラルになればこっちのものだ。

“クロスポイント”を追い越したり離したりする作戦は案外使える。試してみよう。

今回はここまでとさせていただく。次回も「ツイーターとミッドウーファー間のクロスオーバー調整」についての解説を続行する。お楽しみに。

『サウンド調整術』入門! 第3章「クロスオーバー」の調整方法 その8 ツイーターとミッドウーファー間の調整 lV

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 一気に200馬力以上のパワーアップ!? アウディのスーパーワゴン『RS4アバント』後継モデルは電動化で進化する
  2. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  3. トヨタ『クラウンセダン』は違う---水素を使う理由と苦労をチーフエンジニアが語る
  4. 日産『キャシュカイ』改良新型、表情を大胆チェンジ…欧州発表
  5. シトロエン C3エアクロス 新型、間もなくデビューへ…ティザー
  6. 女性向けキャンピングカー「Nomad Lux」デビュー 5月3日初公開
  7. ピアッジオが創立140周年、記念してペスパの特別仕様を発売---140台限定
  8. 春爛漫の新潟に名車が集結…20世紀ミーティング2024春季「クラシックカー&バイクの集い」
  9. 「何にでもなれる自由な存在」グランドクロスオーバー、スズキ『GSX-S1000GX』の凄みとはPR
  10. レクサス最小の『LBX』は、「サイズ的ヒエラルキー」から脱却できたのか?
ランキングをもっと見る