『サウンド調整術入門』クロスオーバー…ツイーターとミッドウーファーの間 その5

“クラリオン”のチューニングアプリでの、ミッドウーファーの“ハイパスフィルター”および“ローパスフィルター”の設定画面。
“クラリオン”のチューニングアプリでの、ミッドウーファーの“ハイパスフィルター”および“ローパスフィルター”の設定画面。全 1 枚

クルマの中で良い音を楽しもうとするときに役立つ「サウンド調整術」について、多角的に解説している当コーナー。現在は「クロスオーバー」にフォーカスしている。今回は、「ツイーターとミッドウーファー間」の調整法についての具体的な“コツ”を紹介する。

まずは、「周波数測定が行えるスマホアプリを使う」という方法から説明していこう。いわゆる“アナライザー”と呼ばれるアプリがいくつかあるので、それを使ってみるという手もあるのだ。なお、それを活用するためには“ピンクノイズ”と呼ばれるテスト信号が必要となるのだが、それをオーディオ装置で再生しアプリを使って周波数特性を測定すると、ピーク(異常に音圧が盛り上がった状態)になっている帯域やディップ(異常に音圧が減衰している状態)になっている帯域を把握できる。

ただし、スマホに内蔵されているマイクの性能的な問題もあり、プロ用機材と比べると精度は劣る。しかし、参考にはなる。

そして測定をして、もしも“クロスオーバー”の“クロスポイント”付近の帯域の音圧が著しく下がっていた場合には…。

“スロープ”を緩くしてみたり、“カットオフ周波数”を追い越すような設定に替えてみよう(例えば、ツイーターの“カットオフ周波数”をミッドウーファーの“カットオフ周波数”よりも低めにする)。そうすることで特性がフラットになれば、調整は成功だ。

逆に、“クロスポイント”付近の帯域の音圧が著しく高くなっていたら、逆の調整を実行してみよう。つまり、“スロープ”をより急峻なものに替えるか、ツイーターとミッドウーファーの“カットオフ周波数”を離してみる。そのようにして特性がフラットになれば、その調整は正解、ということになる。

また、こんなコツもある。それは「常に2択で調整する」というものだ。“スロープ”の設定にせよ、“カットオフ周波数”の設定にせよ、常に2つの設定数値を聴き比べ、どちらがベターかを考える。そうしてより良いと思えたものとまたもう1つ別のものとを聴き比べる。

候補がたくさんあるとその中からベストを選ぶのはなかなかに難しい。しかし常に“1対1”でベターを探っていけば、より効率的にベストに辿り着ける、というわけなのだ。

なおこのコツは、「サウンド調整」のあらゆる場面で活用できる。ぜひとも覚えておいていただきたい。

今回はここまでとさせていただく。次回からは新章に突入する。乞うご期待。

『サウンド調整術』入門! 第3章「クロスオーバー」の調整方法 その9 ツイーターとミッドウーファー間の調整 V

《太田祥三》

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