[最新プロセッサー事情]ハイエンドナビの“内蔵DSP”ってどうなの?

三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ
三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ全 3 枚

現代カーオーディオにおいて、なくてはならない存在となっている“プロセッサー”。そのすべてを解説しようと試みている。これまでは、概要、そして一般的な“メインユニット”や“AV一体型ナビ”に搭載されている“プロセッサー”の機能解説をお贈りしてきた。

【画像全3枚】

それに引き続いて今回は、“ハイエンドナビ”に搭載されている“プロセッサー”のポテンシャルを明らかにしていく。

“ハイエンドナビ”の“イコライザー”はバンド数が多い!?

“ハイエンドナビ”と呼べる製品は3シリーズ存在している。三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』、カロッツェリアの『サイバーナビ』、そして『サイバーナビXシリーズ』、以上の3つだ。そしてこれらには、まさしく“ハイエンド”と呼ぶにふさわしい高性能な“プロセッサー”が搭載されている。

さて、前回紹介した一般的な“AV一体型ナビ”に搭載されている“プロセッサー”とはどのような違いがあるのか、具体的に解説していこう。

まずは“イコライザー”が異なっている。異なっているポイントは2点ある。1つは「バンド数が多いこと」、もう1つは「左右独立で調整できること」だ(カロッツェリアの2シリーズでは「L/R/SW独立」)。結果、周波数特性の乱れをより詳細に補正することが可能となる。

なお、ここで挙げた“ハイエンドナビ”の“イコライザー”のバンド数はすべて「31バンド」タイプとなっている。通常の“AV一体型ナビ”では多くても「13バンド」なので、その3倍近い数が確保されているというわけだ。

ところで、人間の耳で聞こえる音は20Hzから20kHzまでと言われていて、これは音程で言うと“10オクターブ”分に相当する。ということはつまり、31バンドの“イコライザー”では、それを31バンドに分割するので、1バンドが担当する音域は1/3オクターブ分となる。対して13バンドの場合は1バンドで1オクターブ近くの範囲をカバーすることになる。1オクターブという範囲は案外幅広い。結果、13バンドの“イコライザー”ではざっくりとした補正しか行えない。しかし31バンドともなれば、特性の乱れに対してよりピンポイントな補正が可能となる。補正をより詳細に行えるようになるのだ。

車内の周波数特性の乱れは、左右のchで異なっている!?

続いては「左右独立」となることのメリットを解説していこう。車内のインテリアの造形をイメージしてほしい。インテリアの造形は、左右で完全な対称形とはなっていない。例えば運転席側には、ハンドルやメーターフードがあったりする。で、周波数特性の乱れは主に音が反射することで生まれるのだが、インテリアの形状が左右で異なっているので、反射の仕方も左右で変わり特性の乱れ方も左右で異なってくる。

ゆえに、例えば2kHzにピーク(音がその部分だけ異常に盛り上がること)があったとしても、それは右スピーカーから放たれた音のみが原因だったりもする。そんなときには、左chの“イコライザー”は触るべきではない。左chから放たれる2kHzの音には問題がないのだから、そこのところはそのままにしておいた方がいいのだ。“イコライザー”が「左右独立」タイプだと、このような運用が可能となるのだ。

次いでは、“タイムアライメント”について見ていこう。“ハイエンドナビ”の“プロセッサー”では、“タイムアライメント”ももちろん高性能だ。通常の“AV一体型ナビ”では“タイムアライメント”が簡易的なのだが、“ハイエンドナビ”ではそうではない。フロント2ウェイの計4つのスピーカー(ツイーター×2個、ミッドウーファー×2個)に対して個別に“タイムアライメント”を設定できるようになるのだ。

これが可能となるのは、“クロスオーバー”が優秀だから、でもある。通常の“AV一体型ナビ”では、“クロスオーバー”が搭載されていたとしてもフロントスピーカーとサブウーファー間の帯域分割を行えるにとどまるのだが、“ハイエンドナビ”の“クロスオーバー”ならツイーターとミッドウーファー間の帯域分割も実行できる。信号を2つに分割できるからこそ、それぞれを個別に制御できるようになる、というわけなのだ。

『ダイヤトーンサウンドナビ』の内蔵“プロセッサー”には
スペシャルな能力が備わっている!

ところで、『ダイヤトーンサウンドナビ』の内蔵“プロセッサー”には、ダイヤトーン独自のスペシャルな能力も備えられている。通常、“プロセッサー”内でツイーターとミッドウーファー間に“クロスオーバー”をかけると、以後、ツイーター用の音楽信号とミッドウーファー用の音楽信号は別回路で伝送されることとなる。分割された音楽信号を混ぜるわけにはいかないからだ。

ところが…。『ダイヤトーンサウンドナビ』の場合は、“クロスオーバー”をかけてツイーター用とミッドウーファー用に音楽信号を分割しても、それぞれを同一回路で伝送できる。なので内蔵パワーアンプも2chあればOKだ(普通なら、スピーカーの数だけパワーアンプのch数が必要になる)。

そして内蔵パワーアンプで増幅された音楽信号は最後、スピーカーの手前に組み込まれた“パッシブクロスオーバーネットワーク”で改めて帯域分割される。ここで、混ざり合っていた信号が“プロセッサー”内で個別に制御された状態へと戻される。こうして、ツイーターとミッドウーファー、それぞれの音が個別にコントロールされることとなるのだ。

フロントスピーカーが3ウェイだったとしても同様だ。フロントの6スピーカーを個別に制御しつつも、回路は2系統(2ch)あればOKなのだ。スピーカーレイアウトが複雑化しても、システムを大型化させなくてすむ。合理的にハイエンドシステムを構築できる、というわけなのだ。

このような運用方法が可能なのは、世の中にさまざまな“プロセッサー”が存在する中で、『ダイヤトーンサウンドナビ』の内蔵“プロセッサー”のみだ。『ダイヤトーンサウンドナビ』の“プロセッサー”は、至ってスペシャルなのである。

今回はここまでとさせていただく。次回は、“パワーアンプ内蔵DSP”と呼ばれているタイプの“プロセッサー”について解説していく。乞うご期待。

最新“プロセッサー”事情、全方位解説! Part 4「ハイエンドナビの“内蔵DSP”ってどうなの?」

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『NX』ビッグマイナーチェンジはこうなる…新デザイン採用で商品力を大幅強化か
  2. ホンダ『シビックタイプR』受注停止のままモデルチェンジへ、登場は2026年秋か…最終デザイン
  3. 三菱『パジェロミニ』を北米投入か? 「ベイビー・パジェロ」は新たな武器になる!
  4. アキュラ『インテグラ』の「タイプS」、FF車の新記録を達成…パイクスピーク 2026
  5. 【シボレー コルベット Z06 新型試乗】ノーマルとは別物、まさに「洗練の極み」…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ボルボカーズ、2028年以降の車両にアプティブのGen 8レーダー採用へ…悪天候や複雑な市街地でも高精度センシング
  2. ボッシュ、ヒューマノイド向け需要拡大でロボティクス事業を強化
  3. アステモが執行役員を解任、「職務遂行の適切性に問題」…子会社社長も交代
  4. SDV時代、進化するアフターマーケットの“今”と“未来”が一堂に…「アウトメカニカ フランクフルト 2026」9月8~12日開催
  5. 7/27申込締切 【激変するインド自動車産業】政策転換とEVシフト、クイックコマースが拓く日本企業の勝機
ランキングをもっと見る