ホンダがシボレーのトラックをレストアした理由とは? 米国進出60周年を記念

ホンダがフルレストアしたシボレー・アパッチ10(1961年製)
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ホンダ(Honda)の米国部門、アメリカンホンダは6月18日、ホンダの米国進出60周年を記念して、進出当時にアメリカンホンダが使用していたシボレーのピックアップトラックをフルレストアした、と発表した。

1959年の米国進出当時は二輪車を販売

ホンダは1959年、米国市場に進出した。2019年は、ホンダの米国進出60周年となる。ホンダは米国現地法人として1959年、カリフォルニア州ロサンゼルスにアメリカンホンダを設立した。1959年9月、アメリカンホンダは営業活動を開始した。主力商品は、『ドリーム』(排気量250ccと350cc)と『ベンリイ』(125cc)。日本で発売されたばかりの『スーパーカブ』(米国名:『ホンダ50』)も追加され、販売目標は月間1000台に設定された。

アメリカンホンダは、現地で採用した従業員が中心となり、総勢8名で営業活動を開始した。スーパーカブのヒットなどで、1961年5月の月間販売台数は目標の1000台を突破した。しかし、アメリカンホンダは、既存の販売店を通じての販売だけでは、これ以上の飛躍的な伸びは望めないと判断し、スーパーカブを主力商品とする新たな販売網の構築に乗り出した。

アメリカンホンダは事業概要を各地でプレゼンテーションしたり、広告を通じてこれからオートバイ販売に参入したいという熱意のある人を広く募集したりした。アメリカンホンダは販売網拡大を図ると同時に、新風を吹き込むことでモーターサイクル業界全体の活性化も目指した。さらに、オートバイを手軽に買える商品にしようと、スポーツ用品店やアウトドアショップなどに、スーパーカブを販売してもらうよう働きかけた。

荷台に二輪車を積んで販売店に輸送

そのアメリカンホンダが1960年代、米国南カリフォルニア地域のディーラーにホンダの二輪車を輸送するために購入したのが、GMのシボレーブランドのピックアップトラック、1961年製の『アパッチ10』だった。

アパッチ10には、排気量4.6リットルのV型8気筒ガソリンエンジンを搭載していた。最大出力は160hpを引き出し、トランスミッションは3速MTを組み合わせる。荷台の奥行きはおよそ2440mmで、最大積載量は500kgだった。

ホンダは、このアパッチ10にホンダの二輪車を積み込み、米国南カリフォルニア地域のディーラーに二輪車を輸送した。そしてホンダは、米国市場における成功の足がかりを築いた。1965年までに、ホンダは米国市場で最も売れているオートバイブランドとなり、その市場占有率はほぼ72%に達していた。

アメリカンホンダは、社内に残されていた資料を分析し、定年退職したホンダの従業員に聞き取り調査を行うなどして、1961年製のアパッチ10を見つけ出し、フルレストアに取り組んだ。ホワイトのボディカラーを基本に、赤いストライプとデカールが配されたボディは、当時のアパッチ10の特長を忠実に再現している。

荷台には1965年製の2台のビンテージバイク

フルレストアされたアパッチ10の荷台には、2台のビンテージバイク、ホンダ50(1965年製)と『CB160』(1965年製)を積載した。ホンダ50はプレス鋼製、ステップスルーのモノコックフレームに、排気量49ccの単気筒プッシュロッドエンジンを搭載。遠心クラッチ付3速セミオートトランスミッションを組み合わせていた。

ホンダCB160は、スチールバックボーンフレームに、排気量161ccのSOHC垂直ツインエンジンを搭載し、最大出力は16.5hpを引き出した。4速マニュアルトランスミッションに、電気スターターも採用していた。

なお、フルレストアされたアパッチ10は現在、アメリカンホンダのカリフォルニア州トーランス本社のロビーに展示されている。

《森脇稔》

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