メルセデス AMG GT、「GT3」レーサーに改良新型…戦闘力向上

パナメリカーナグリルは最新デザインに

エアロダイナミクス性能を向上

市販車とは異なる自然吸気エンジン搭載

メルセデス AMG GT3 改良新型
メルセデス AMG GT3 改良新型全 11 枚

メルセデスベンツは6月21日、『メルセデスAMG GT3』(Mercedes-AMG GT3)の改良新型を欧州で発表した。

メルセデスAMG GT3は2014年秋、パリモーターショー2014で発表された新型スポーツカー、『メルセデスAMG GT』をベースに開発されたレーシングカーだ。FIA(国際自動車連盟)のGT3規格を満たすレーシングカーで、2016年シーズンから世界のモータースポーツシーンで活躍している。

パナメリカーナグリルは最新デザインに

改良新型のエクステリアは、市販版のメルセデスAMG GTの最新モデル同様、「AMGパナメリカーナグリル」と呼ばれる縦基調の専用フロントグリルの最新デザインを採用する。このグリルは1952年に行われた伝説的レース、「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」において、優勝を果たした「300SL」レーシングカーに由来するものだ。

コックピットでは、給水システムからオプションのシートやヘルメットの換気システムなど、人間工学の面からドライバーに配慮した装備を導入する。さらに、直感的で手の届きやすいコントロールとドライバーに向かって傾けられたセンターコンソールが採用される。高強度鋼のロールケージ、アルミ製のスペースフレーム、ヘッドレストを内蔵したカーボン製シート、ルーフの安全ハッチなどにより、最新のFIA規格に適合する最高レベルの安全性を追求している。

エアロダイナミクス性能を向上

改良新型では、前後バンパーやディフューザーを新設計した。風洞施設でのテストにより、ダウンフォースを引き上げ、サーキットでの空力性能を向上させる。市販車に対してワイドボディ化されており、迫力を増した。リアには大型ウイングを装着。多くのパーツがカーボンファイバー製で、軽量化も追求する。ヘッドライトやテールランプも新デザインとした。メインビームの他に、オプションの追加ランプは、24時間レースで威力を発揮する。

ブレーキシステムとトラクションコントロールも新開発された。調整可能なレース用ABSは、最新世代のレース用タイヤに適合するように調整されている。最適化されたトラクションコントロールは、タイヤのグリップ限界領域において、継続的に作動する。

改良新型では、サーキット走行の自動記録と分析を可能にした。モータースポーツ参加チームがこれらのデータを、デジタルでリアルタイムに利用できるようにした。これにより、部品を交換する必要があるかどうか、またいつ交換する必要があるかを、正確に判断することができるという。

また、改良新型では、ランニングコストの低減を目指して、エンジンの寿命を延ばすことに重点を置いた改良を施した。また、フロントの構造を見直し、軽微な事故での修理費用を抑えることに配慮している。

市販車とは異なる自然吸気エンジン搭載

市販車のメルセデスAMG GTには、4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジンを搭載する。排気量は3982ccで、2個のターボで過給した。この4.0リットルV型8気筒ツインターボには、2種類のチューニングが存在する。高出力版の「S」は、最大出力522hp、最大トルク68.3kgmを引き出す。0~100km/h加速3.8秒、最高速310km/hと、世界屈指の動力性能を備えている。

レーシングカーのメルセデスAMG GT3では、従来型のGT3レーサー、『SLS AMG GT3』で定評ある6.3リットル(6208cc)V型8気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載する。トランスミッションは、6速シーケンシャルを組み合わせている。

《森脇稔》

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