国土交通省は、トラック・バス・タクシーの運転者としての就職希望者が就職先を選ぶ際、荷主などが取引先を選ぶ際に参考にできる自動車運送事業者の労働条件や労働環境に関する認証制度について検討会として報告書をとりまとめたと発表した(25日)。
自動車運送事業は、運転者不足が深刻化しており、労働条件や労働環境を改善するとともに、運転者を確保・育成していくことが課題。このため、国土交通省では、2018年6月に有識者・事業者団体・行政で構成する検討会を設置し、長時間労働是正など、働き方改革を重視した「ホワイト経営」への自動車運送事業者の取り組み状況を「見える化」するため、認証制度の創設について検討し、今回、報告書をとりまとめた。
トラックや貸切バスに関するこれまでの評価制度は、主に運行の安全性に関して評価・認定し、主に荷主、旅行業者へ情報を提供するための制度となっている。これに対して新たな認証制度である「運転者職場環境良好度認証制度」は、主に運転者の労働条件や、労働環境に関して評価・認証し、主に求職者へ情報提供を行うための制度として設計する。
「運転者職場環境良好度認証制度」では、公募選定する中立的な民間団体が、報告書の内容を踏まえて実施する。これによって自動車運送事業者も、自社の働きやすさなどについて第三者を介した中立的・客観的評価として示すことができる。
運転者の採用活動の円滑化や、取引先からの信頼向上による契約受注への好影響も見込めるとしている。
また、報告書では、認証項目、認証基準、認証段階(一つ星、二つ星、三つ星)、認証の有効期間などについても示された。